交通事故に遭ったらまず病院へ!弁護士が語る整骨院・接骨院通院の3つのリスク
交通事故に遭ったら、まずはお医者様へ
弁護士が解説!整骨院・接骨院に通う前に知っておきたい3つのリスク
交通事故は、決して他人事ではありません。
弁護士として仕事をしていると、交通事故の多さに驚かされます。そして、どれだけ注意していても、避けられない事故は存在します。 もしもの時に備えて、事故に遭ってしまった際にどう行動すべきかを知っておくことが非常に重要です。 このページでは、特に大切な「通院先」について解説します。
最重要ポイント:交通事故に遭ったら、まず「医師」のいる病院へ通ってください。
事故後は興奮状態で痛みに気づきにくくても、まずは病院で診察を受けることが肝心です。そして、その後の通院も自己判断で整骨院・接骨院を選ぶのではなく、医師の指示を仰ぎましょう。なぜなら、それ以外の選択には大きなリスクが伴うからです。
なぜ整骨院・接骨院だけではダメなのか?
それは、法的に「治療」と見なされない可能性があるからです。
ポイントは「必要性」と「相当性」
交通事故の損害賠償では、ケガの治療のために「必要」かつ「相当」な通院期間が対象となります。
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原則OK:医師による治療
「必要性」「相当性」が認められやすい。 -
原則NG:整骨院・接骨院の施術
医師ではないため「医業類似行為」とされ、「必要性」「相当性」が認められにくい。 -
例外:医師の指示がある場合
「医業類似行為」でも「必要性」「相当性」が認められることがあります。
通院と解釈されない場合の3大デメリット
① 治療費が打ち切られる
保険会社は当初支払いに同意しても、数か月で「治療は終了」として一方的に支払いを打ち切ることがあります。医師の治療であれば反論しやすいですが、「医業類似行為」では覆すのが困難です。
② 慰謝料が大幅に減る
慰謝料は通院期間に応じて計算されます。整骨院等への通院期間が慰謝料の計算に含まれず、もらえる金額が5分の1以下になるケースも。病院での治療期間のみが対象となる可能性があります。
③ 後遺障害認定で不利に
むち打ち症など画像に映らない痛みでは、通院回数が後遺障害認定の重要な指標になります。しかし、整骨院等への通院は回数としてカウントされないことが多く、適切な認定を受けられない恐れがあります。
まとめ:それでも整骨院・接骨院に通いたい場合
最近では「交通事故にも対応」と宣伝する整骨院・接骨院も増えていますが、これまで見てきたように、法的な観点からは多くのリスクをはらんでいます。 もし、どうしても整骨院・接骨院に通う場合は、以下の覚悟が必要です。
「この先生なら、きっとケガを後遺症なしに治してくれる。将来もらえるかもしれない慰謝料より、今このケガを治すことに賭ける。もし後遺症が残ってしまっても、慰謝料がもらえなくても仕方ない。」
後悔しないためにも、まずは必ず医師の診察を受け、その指示に従うことを強くお勧めします。
次回の記事にもご期待ください!