静岡市清水区で法律事務所を経営している、弁護士の浅井裕貴です。
ここでは、裁判離婚(訴訟離婚)についてご説明します。

〇裁判離婚(訴訟離婚)

さて、裁判離婚のお話です。
調停を経ても合意がまとまらないというのは、
意外と少ないと申し上げました。

実は、金銭的なところだけが争いの場合には、
調停を何回か重ねれば、合意しやすいです。
たとえば、慰謝料の額に不満があるとか、
養育費が少ないとかという場合には、一部譲歩ということが可能なので、
まとまりやすいのです。
仮に、夫が「慰謝料は一円も払わない」・妻が「慰謝料は100万円ほしい」という争いの場合であっても、ずっと平行線というパターンはほとんどありません。
だんだん双方が歩みよって、合意に至ります。

しかし、一部譲歩がありえない場合には、調停でも合意に至らない場合があります。
たとえば、離婚自体が争いになる場合と、親権が争いになる場合が典型例です。

そこで、まずは離婚自体について掘り下げましょう。

・離婚自体

裁判で離婚ができる場合というのは、法律上決まっています。
民法770条です。

第七百七十条  夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一  配偶者に不貞な行為があったとき。
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四  配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

ほとんどは、一号か五号で離婚することになります。
五号の典型的な例の1つは、DVです。
裁判で勝つためには、証拠が必要です。
つまり、不貞の証拠、DVの証拠がなければ、裁判での離婚はできません。
証拠がなければ、弁護士が入っても裁判に負けることになります。

不貞とは、配偶者がいるにも拘わらず、配偶者以外と性交渉をする場合をいいます。
不貞の証拠とは、2人でホテルに入るところの写真とか、性交渉を匂わせるようなメール・SNSのやりとりを指します。
私の経験では、メール・SNSから不貞が明るみにでることが多いです。

なお、不貞の証拠がないからといって、探偵さんに依頼する方も散見されます。
この時にご注意いただきたいのは、不貞の慰謝料はそんなに高くないことが多いということです。
慰謝料に関するデータを見ると、不貞の慰謝料はかなりばらつきがあります。
敢えていうならば、100万円~500万円くらいに集中しています。
これだけ見ると、300万円が相場なのかと思われるかも知れません。

しかし、私の印象では、100万円~150万円くらいが最も多いように思えます。
また、100万円を下回ることも珍しくありません。
200万円いくと、「今回は高額になったな」という印象です。
したがって、探偵さんの費用に100万円以上かけると、赤字になる可能性があるということにご注意ください。
(探偵さんの費用は、損害賠償額に含まれないことがほとんどです。)

次に、DVです。DVにも証拠が必要です。
もし、暴力であれば、暴力を受けた痕の写真やカルテが重要な証拠です。
仮に、警察や女性相談センターへ相談に行っている場合には、
そのこと自体も、証拠の一つとして扱われることが多いです。

なお、暴力というのは、間接的なものも含みます。
つまり、結婚相手の見ている前で物を破壊するのもDVです。
したがって、DV加害者が壊した壁や食器の写真も証拠となります。

もちろん、暴言・モラハラもDVです。
したがって、発言内容を録音したデータは重要な証拠になります。
ただ、録音をするというのは難しいでしょう。
せめて、「今日はこんなことを言われた」などのメモを残しておいてください。
そのメモが、離婚調停や離婚裁判前に作られているようであれば、
ある程度、証拠としての価値が認められることがあります。

離婚・男女問題に関する費用

費目金額備考
<着手金>
交渉・調停・審判・保全(仮処分など)1件あたり22万0000円同時依頼の場合、2件目以降は減額されることがある。
訴訟33万0000円調停・審判から継続受任の場合には、-16万5000円となる。
実費別途
<日当>
出廷日当(web会議1回あたり)2万2000円
出廷日当(web会議以外1回あたり)2万2000円~5万5000円移動距離に応じて増加する。出張(出廷以外の外出)も同様とする。
<報酬>
離婚成立11万0000円
離婚を希望せず、離婚回避できた場合22万0000円「当面別居する」という内容で調停成立した場合も含む
親権について希望がかなった場合お子様1人につき11万0000円
将来分の養育費回収1カ月あたり、(回収額-5万円)の11%毎月8万円を回収した場合、(8万‐5万)×11%で、1カ月あたりの報酬は3300円となる。
過去の養育費回収回収額の11%
養育費減額
減額分の11%
将来の婚姻費用回収1カ月あたり(回収額-5万円)の11%毎月8万円を回収した場合、(8万‐5万)×11%で、1カ月あたりの報酬は3300円となる。
過去の婚姻費用回収回収額の11%
婚姻費用減額減額分の11%
慰謝料回収回収額の11%
名目が「解決金」の場合も同様
慰謝料減額減額分の11%名目が「解決金」の場合も同様
財産分与回収回収額の11%名目が「解決金」の場合も同様
財産分与減額減額分の11%名目が「解決金」の場合も同様
面会交流の実現22万0000円
面会交流につき相手方の要求を切り下げ22万0000円
保全の実現1件あたり22万0000円
保全の阻止1件あたり22万0000円
子の引き渡しの実現22万0000円
子の引き渡しの阻止22万0000円
子の監護者指定実現22万0000円
子の監護者指定阻止22万0000円

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