技能実習生制度自体はホワイト1

技能実習生制度で被害を受けた外国人の方がいらっしゃることは否定できません。

しかし、現在の技能実習生制度自体は、被害の発生をできるだけ防ぐような制度になっています。
そこで、技能実習生制度自体を知っていただき、適正に技能実習生制度を使っていただきたいと思います。

技能実習生制度自体は、あくまで国際貢献目的であり、日本の人手不足解消のための制度ではありません。
しかし、特定技能制度が出来たことにより、技能実習生の方が、その後、特定技能制度などを利用して来日し、日本で長期的に働いていただける可能性が出てきました。

したがって、技能実習生を受け入れるということは、送り出し国のみならず、日本の企業のメリットにもなります。
そこで、技能実習生制度を正確に理解していただき、ぜひ、日本の企業の方にもメリットを享受していただきたいのです。

実習実施者(=実習生受入企業)は、監理団体の監査を受けなければならない

まず、外国人実習生は、企業が単独で受け入れることは珍しく、「監理団体」を経由して受け入れることがほとんどです。
大雑把に申し上げれば、受入企業は、実習計画を作って国の認定を受け、監理団体の協力のもと、受け入れます。
そして、受入企業は、監理団体の監査を受けなければならないのです(技能実習法39条)。

(認定計画に従った実習監理等)
第三十九条 監理団体は、認定計画に従い、団体監理型技能実習生が団体監理型技能実習を行うために必要な知識の修得をさせるよう努めるとともに、団体監理型技能実習を実習監理しなければならない。
2 監理団体は、その実習監理を行う団体監理型実習実施者が団体監理型技能実習生が修得等をした技能等の評価を行うに当たっては、当該団体監理型実習実施者に対し、必要な指導及び助言を行わなければならない。
3 前二項に規定するもののほか、監理団体は、団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令で定める基準に従い、その業務を実施しなければならない。

しかも、監査は、1号実習生(実習1年目の方)を受け入れている場合は、実地で、月1回以上実施する必要があります(技能実習法施行規則52条3号)。
その他の実習生を受け入れている場合でも、実地で、3か月に1回以上実施する必要があります(技能実習法施行規則52条1号)。

(監理団体の業務の実施に関する基準)
第五十二条 法第三十九条第三項の主務省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているか、出入国又は労働に関する法令に違反していないかどうかその他の団体監理型技能実習の適正な実施及び団体監理型技能実習生の保護に関する事項について、監理責任者の指揮の下に、次に掲げる方法(法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作業に係るものである場合にあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める方法、その他団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上次に掲げる方法のうちにその方法によることが著しく困難なものがある場合にあっては、当該方法については、これに代えて他の適切な方法)により、団体監理型実習実施者に対し三月に一回以上の頻度で監査を適切に行うこと。
イ 団体監理型技能実習の実施状況について実地による確認を行うこと。
二 団体監理型実習実施者が法第十六条第一項各号のいずれかに該当する疑いがあると認めたときは、監理責任者の指揮の下に、直ちに、前号に規定する監査を適切に行うこと。
三 第一号団体監理型技能実習にあっては、監理責任者の指揮の下に、一月に一回以上の頻度で、団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているかについて実地による確認(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法による確認)を行うとともに、団体監理型実習実施者に対し必要な指導を行うこと。

「実地で」ということは、要するに、実際に見に行かなければならないということです。
報告書等の書面だけでは不可というわけです。受け入れ企業からすれば、月1回か、3か月に1回、監理団体の監査を受けなければなりません。

では、どんな監査を受けなければならないのでしょうか。監査の内容については、次回以降にお話しします。