相続放棄申述の受任
先日は、相続放棄申述の案件を受任しました。
相続放棄とは、亡くなった方の財産を一切受け取らない代わりに、借金も一切支払わなくてよくなるという手続きです。
亡くなった方に借金がある場合に用いるのが一般的です。しかし、借金があろうとなかろうと、財産を引き継ぎたくないという理由で相続放棄をすることも可能です。
今回受任した方も、財産を引き継ぎたくないというのが主な理由でした。
実は、相続放棄は、そんなに難しい手続きではありません。家庭裁判所の指示に従って戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を集め、指示された書類に必要事項を記入し、家庭裁判所に提出するだけです。
ご依頼者の方は、お体が不自由で、家裁はおろか、市役所に戸籍全部事項証明書を取得しに行くのも困難ということだったので、お引き受けしました。
もちろん、弁護士費用はいただきます。しかし、相続放棄の申述をしておけば、万一、後日、思いもしない借金が出てきたとしても、一切の責任を負わなくて済みます。
この方のように、亡くなった方に財産があるが、何らかの事情で引き継ぐ気はないという場合、借金が判明していなくても、相続放棄をした方が良いのです。
仮に、相続放棄をせずに、後日、借金が判明した場合、財産は引き継げないのに、借金だけ背負わされるという場合がありうるからです。
弁護士に依頼するか否かは別にして、ご自身が相続人になった場合には、相続放棄という選択肢があることを、決して忘れないでください。
もし、不安な場合には、直ちに、弁護士に相談してください。相続放棄は、原則として、亡くなったことを知ってから3か月以内しか行うことができないからです。