一般論「画風はセーフ」の落とし穴。「○○風」のAI画像が「偶然」類似した場合

前回、「アイデアの採用だけなら著作権侵害にならない。」というお話をしました。

同じ趣旨で、「画風を真似するだけであれば、著作権侵害にならない。」という話をお聞きになったことがある方も多数いらっしゃると思います。

確かに、「画風を真似するだけであれば、著作権侵害にならない。」という一般論自体は正しいです。

しかし、画風だけ真似するつもりで、偶然、既存の著作物と類似したものが生成されてしまった場合にはどうでしょうか。

たとえば、少し前に、生成AIを使って、ジブリ風の画像を作成することが流行しました。
あくまで「ジブリ風」なので、なんら問題はないようにも思えます。
しかし、もし、ジブリが著作権を持っている画像(しかも、ジブリが自由利用を認めていない画像)と類似する画像が生成され、公開してしまったらどうなるでしょうか。

結局のところ、依拠性があるとして、違法になってしまう可能性があります。

たとえば、いくら「ジブリ風」といっても、サツキやメイに似た画像を生成してはいけないといいうことは皆さまもお気づきと思います。

しかし、脇役(サツキのクラスメイト等)に似た画像を生成・公開してしまっても、著作権侵害になる可能性があるわけです。

以上から、結局「○○風」の画像といえども、画像検索してから使うのが無難ではないかと考えられます。
もっとも、脇役まで画像検索に引っかかるかどうかは、私にも分かりません。
つまり、「○○風」の画像は、意外とリスクがあるといえることにご注意いただきたいと思います。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。