生成AIと依拠性

近ごろは、生成AIを活用して、画像生成する方も多いと思います。

そして、生成AIについては、いろんな論点で、いろんな議論がなされていると思います。

いろんな論点の中で、本日は、一般的な生成AIで生成された画像を使用することが著作権法違反になると思われる場合について取り上げたいと思います。

ただ、生成AIに関しては、まだ明確な判例は出ていないと思われます。そこで、文化庁の「AI と著作権に関する考え方について」を参考にお話ししたいと思います。

なお、ここでいう「一般的なAI」とは、chatGPTや、Geminiなど、「生成AI」といって皆さまが、真っ先に頭に思い浮かべるものを指します。

さて、著作権侵害が成立するには、①類似性と②依拠性が必要とされています。ちなみに、私的利用など、各種の例外規定に当てはまれば、例外的に著作権侵害は成立しません。
ただ、分かりやすくするために、今回は、例外規定には当てはまらないことを前提にします。

結論から申し上げますと、「一般的な生成AIで、意図的に他人の著作物と類似したものを生成した場合はもちろん、偶然にも類似してしまった場合も、著作権侵害になる可能性がある。」といえます。

たとえば、一般的な生成AIに「当社の製品を、かわいい青いぬいぐるみが持っていている画像を生成してください。」というプロンプトを入力し、偶然にもドラえもんが含まれる画像が生成されたために、その画像を、自社の販促に使ったら、著作権侵害で違法になる可能性があります。

したがって、私としては、一般的な生成AIで生成した物を事業に使いたい場合には、画像検索などで類似したものがないかを確認することをお勧めいたします。
ただし、画像検索も100%確実ではないので、ご注意いただきたいです。

ここで、皆様の中には、「著作権は、偶然の一致の場合、許されるはずだ」とか 「依拠性がなければ、著作権侵害にはならないはず。」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思われます。

次回は、そのような疑問にお答えします。

今回は、まず、結論を抑えておいてください。

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