民法改正講義案7(意思表示4)

4 承諾も到達主義になった

(1)ひとこと解説

承諾も、到達しなければ効力が出ません。

(2)詳細解説

意思表示は、相手方に到達しなければ効力が出ません(民法97条)。

第九十七条 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

たとえば、Xさんが、Yさんに対し、手紙で、「甲土地を1億円で買いたい」という申込をする場合、申込の効力は、その手紙がYさんに届いたときに発生します。ここまでは、当然のことと受け入れてもらえると思います。

これに対し、Yさんが、承諾の意思表示を手紙で発送した場合、承諾の意思表示の効力はいつ発生するのでしょうか。

実は、旧法では、526条によって、承諾に限り、発信に効力が発生するとされていました。つまり、Xさんが承諾のお手紙を受け取っていなくても、Yさんが発送さえすれば、承諾したことになります。ひいては、YさんがXさんに発送した時点で、売買契約成立です。

しかし、新法では、526条が削除されました。したがって、承諾の場合も、相手方に到達しなければ効力が発生しません。つまり、先ほどの例では、Xさんのところに、承諾のお手紙が届かなければ、承諾の効力は発生しませんし、売買契約も成立しないのです。

 

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