民事IT裁判FAQ8~和解条項などを確認しやすい~

Q 動画やカラー写真以外で、何かIT裁判の利点はありますか?

A 和解条項など、裁判所が作成した書面を確認しやすいとか、振込先口座を直接入力できるなどの利点もあります。

【解説】
IT裁判ではない通常の弁論準備手続において、和解が成立する際、大抵の場合、裁判官が和解条項を読み上げて和解成立となります。
もちろん、和解成立前には、裁判官や弁護士が和解条項案を作成し、事前に目を通していることが多いです。
したがって、読み上げの内容は、その和解条項案の微修正に留まることが多いです。
そうはいっても、和解条項は重要ですから、一言一句聞き漏らすことはできません。私も、裁判官の読み上げ内容を、集中して聞いておりました。

しかし、IT裁判で和解が成立する場合、裁判官が、和解条項をデータでアップロードしてくださることが多いです。
そのため、読み上げ内容を聞く場合に比べて負担は少なくなりました。

また、和解条項においては、お金の振込先を記載することが多いです。例えば、「被告は原告に、本件解決金として、〇年○月〇限り、金〇〇円を支払う。前項の金員は、○○銀行○○支店 普通口座……に送金して支払う。」等です。

この口座情報については、私は、和解成立後、FAX等で書記官さんに伝えるということをしておりました。別に、口頭で伝えることは禁止されていませんが、口頭だと聞き間違い・言い間違いが発生しそうで不安だったからです。

しかし、IT裁判ですと、裁判官の作った和解条項に、直接、口座情報を入力できます。これならば、聞き間違い・言い間違いは発生しません。また、打ち間違いにも気づきやすいです。それに、後でFAXする手間も省けますし、FAX忘れも防げます。

このような利便性もあるということも、ぜひ、知っておいてください。