トレントの示談書にそのままサインしていい?弁護士が解説いたします
Q 発信者情報開示に不同意にしたものの、結局、発信者情報が開示されました。すると、私のところに、著作権者から示談書案が届きました。示談書案に記載された金額には納得できているので、示談書にサインしても良いでしょうか。
A 金額だけでなく、そのほかの条文にも注意が必要です。具体的には、①刑事事件にならないような条文が入っているか、②示談書作成時以降に、トレントを使わない限り、追加で請求を受けない条文になっているかにも注意が必要です。
【解説】
今や、具体的に、トレント問題に関する示談金の相場を、インターネットで調べようと思えば調べられる状況になりました。
もっとも、示談金の相場は、日々変動していると言えます。
したがって、そもそも、インターネットで検索できた結果が、現在の示談金の相場とは限らないことにご注意ください。
ただ、今もなお、民事訴訟になってしまった場合の諸費用や刑事事件になってしまった場合の諸費用を超えないレベルの金額が、示談金の相場であるとはいえると思います。
したがって、ご本人が妥当と考えるのであれば、示談金自体は、提示額のままでも良いでしょう。
ただ、そのほかの条文にも注意が必要です。
以前申し上げたように、トレント問題で怖いのは、刑事事件になるリスクがあるということです。そのため、示談をする以上は、刑事事件化を回避する条文を入れてもらうべきと考えます。
刑事事件化を回避する条文というのは、例えば、「被害届を出さない・告訴しない」等の条文ということになります。このような条文が入らないまま、示談をするということは、民事事件としては解決したものの、刑事事件は未解決のままということになります。
ご注意ください。
また、示談書作成時以降、トレントを使わない限り、追加請求を受けないという条文も必要です。
たとえば、2025年1月1日にトレントを使い、2026年1月1日にトレントについて示談したとします。
トレントの性質上、トレントでファイルをダウンロードするということは、ファイルをアップロードするということにもなります。アップロードするからこそ、重大な事件になってしまうわけです。
ただ、理論上、2025年1月1日にアップロードしたファイルが、2026年2月1日にダウンロードされてしまうことはありえます。そうなると、示談後に損害発生ということになります。
しかし、著作権者側から示される示談書の中では、「示談後に発生した損害について、賠償責任を負う」等、無条件で損害賠償をすると読める条文を示されることがあります。
そのため、「示談後にトレントを使った場合に限り、損害賠償をする。」等、妥当な条文にするよう、交渉する必要があります。
静岡市・清水区周辺で、発信者情報開示請求や違法ダウンロードに関する通知・請求を受けた場合、事案によって取るべき対応や注意点は大きく異なります。
不要な対応や支払いを避けるためにも、不安がある場合は一度専門家にご相談ください。



