相続に関するQ&A4~法定相続情報証明のご活用を~

Q 父について、出生から死亡までの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得したところ、戸籍謄本が束のようになりました。相続手続をするために、毎回、戸籍謄本の束を提出したり、受領したりすることを考えると、今からウンザリしてしまいます。なんとかなりませんか。

A 法定相続情報一覧図の取得をお勧めします。

Q 法定相続情報とは何ですか。

A 大雑把に申し上げると、故人とご自身の関係が分かる程度の家系図と、戸籍謄本の束と、その他必要書類を、登記所に持っていくと、登記官が法定相続情報一覧図を交付してくれる制度です。交付された法定相続情報一覧図は、戸籍の束の代わりとして機能します。通常、法定相続情報一覧図は、A4用紙1枚にまとまっていますので、戸籍の束をやりとりするよりは、はるかに楽になります。

【解説】

以前申しあげたように、戸籍は、強制的に新しくなったり、自分自身で新しくすることができます。特に、転居のたびに、本籍地も移している方は、「出生から死亡まで」の戸籍が何通にもなり、束のようになることも珍しくありません。

そして、相続手続というのは、いくつもの銀行に対して行うことが多いです。そのため、何回も、戸籍の束をやり取りするのは面倒ですし、紛失・汚損の危険も出てきます。

そこで、法定相続情報証明の制度が誕生しました。家系図と戸籍の束を登記所に持っていくと、登記官が戸籍の束をチェックし、法定相続情報一覧図を交付してくれます。交付してくれた法定相続情報一覧図が、今後は、戸籍の束の代わりになるというわけです。

ちなみに、法定相続情報一覧図は、無料です。

戸籍謄本の束にウンザリしている方は、ぜひ、ご検討ください。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。