登記情報サービス

今日、ご紹介するのは、登記情報サービスです。

https://www1.touki.or.jp/

インターネットで、登記事項証明書(登記簿)の内容が確認できるというものです。
たとえば、市役所の法律相談の際に、「3年前に、個人的に、貸したお金を回収してほしい。3年前に借主は、不動産登記簿のコピーを示して『いざとなったら、この不動産を売ってお金を返すといっていた。3年まえに示された登記簿のコピーならここにある。』」という相談があったとします。

もし、登記情報サービスが無かった場合、「では、次回、直近の不動産登記事項証明書を取り直してからお越しいただけますか。申し訳ありませんが、今回は、結論に踏み込んだお話が出来そうにありません。」と申し上げざるを得ません。
3年前の登記簿では、現在、借主がその不動産を持っているか否か不明だからです。

しかし、登記情報サービスがあれば、ノートパソコンを用い、法律相談の場で、現在の不動産登記事項証明書の内容が確認できます。
つまり、その場で、不動産の所有者が確認できます。所有者が、今でも同じ借主であれば、回収可能性がありそうということでお受けすることができるかも知れません。
もし、借主が売却しているなどして、所有者が変わっていれば、残念ながら回収可能性が乏しいということで、お受けできそうにないということを申し上げることになります。
いずれにせよ、結論に踏み込んだお話ができ、ひいては、相談者様の手間も省けるというものです。

あと、こういっては民事法務協会様(登記情報サービスの提供者様)に怒られるかも知れませんが、登記情報サービスは、ブルーマップの代わりになります。
しかも、ブルーマップの代わりに使う分には、お金もかかりません。

ブルーマップとは、一般にいう住所から、地番を検索するための地図です。
たとえば、弊事務所の住所は、「静岡市清水区相生町6番22号」です。
しかし、この住所を登記所で検索しても、弊事務所が入っているビルの土地の登記事項証明書は取れません。
「地番」という、いわば登記簿専用の番号で検索する必要があります。
ちなみに、弊事務所の地番は、静岡市清水区相生町3番6です。このように、住所から地番を検索するための地図が、ブルーマップなのです。

そして、登記情報サービスには、「地番検索サービス」があります。住所を入力していくと、地番が明らかになるサービスです。
これにより、ブルーマップとほぼ同じ効果が得られます。
しかも、地番検索サービス自体は無料です。

しいて欠点をあげれば、登記情報サービスで得られた情報は、登記所に行って登記簿を閲覧した際に内容を手書きで書き写したものと同じ扱いになるため、公的な機関では正式な書面として認められないことがあります。たとえば、裁判には使えません。土地の明け渡し請求訴訟を提起する際には、登記情報のコピーでは不十分で、登記事項証明書の提出が求められます。

ちなみに、登記事項証明書については、郵送請求の制度があります。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html

たとえば、登記情報サービスでとりあえず登記の内容を確認し、いよいよ裁判をする際には、登記事項証明書を郵送請求して取寄せるということも可能です。
登記事項証明書の取り寄せに関する手続きが、登記所に行かずに完結します。

かなり便利なので、ぜひ、ご利用ください。