交通事故案件の肝7~意外なところに弁護士特約~

昨日、「自賠責基準を示されたら、弁護士のところに」と申し上げました。
ただ、皆様が心配されるのは、弁護士費用だと思います。今は、弁護士費用が自由化されているので一概にはいえませんが、着手金が10~40万円、成功報酬が10~20%というのが多数ではないかと思われます。

「交通事故に遭って大変なのに、弁護士費用まで出せない。」という方の強い味方となるのが、弁護士費用特約です。
弁護士費用特約の存在は広く知られているようで、交通事故で私に依頼してくださる方の90%くらいは、弁護士費用特約を使ってらっしゃいます。

典型的なものは、ご自身が契約している自動車保険の特約としてついているものです。ただ、ご自身が契約している自動車保険以外にも弁護士費用特約がついていることがあります。

実際お受けしたことがあるのは、生命保険に弁護士費用特約がついていたというパターンです。

また、ご自身が会社を経営されており、自宅を会社の持ち物にしていたところ、その自宅に車が突っ込むという案件がありました。
ご自身は自動車を持っているため、自動車保険を契約されていて、弁護士費用特約がついていました。
しかし、会社名義では車を持っていなかったため、会社名義では自動車保険を契約していませんでした。
この方の場合、厳密に考えると、被害者は会社であって、個人ではありません。会社が自動車保険を契約していなかった以上、弁護士費用特約は使えないような気がします。
しかし、自動車保険の方が「自宅として利用しているならば、実質的な被害者は個人といえなくもない」などと、融通を利かせてくれて、弁護士費用特約を使えるようにしてくれました。

さらに、家族が別の車を運転していた場合に、弁護士費用特約が使えたという例もあります。
Aさんが、甲という車を持っていました。ここで、Aさんが、甲という車について、Aさんの家族が運転していても保険が下りるような契約をすることは珍しくありません。
この場合、Aさんの子Bさんが、甲という車を運転しているときに事故に遭ったなら、弁護士費用特約が使えることが多いはずです。

しかし、Aさんの家族が、乙という別の車を運転しているときに事故に遭った場合はどうなるでしょうか。
たとえば、Aさんの子Bさんが、乙というレンタカーを借りているときに事故に遭った場合です。
Bさんは、レンタカーを借りる際、保険料をケチって、弁護士費用特約のない、最低限の保険にしか加入していなかったとしましょう。

このような場合、甲という車を運転していなかった以上、弁護士費用特約が使えないような気がします。
しかし、理屈は良く分かりませんが、乙というレンタカーに乗っていた時の事故でも、Aさんの保険の弁護士費用特約が使えるという案件を扱ったことがあります。

また、自動車保険についている弁護士費用特約でも、交通事故以外に使えることもあります。
たとえば、スポーツ中事故について、自動車保険の弁護士費用特約が使えた例があります。

以上は、あくまでも例に過ぎません。同じ例であっても、X社では使えたものの、Y社では使えないということはありえます。
つまり、上記と全く同じ事例であっても、弁護士費用特約が使えない会社もあるかも知れません。
しかし、保険会社に確認しなければ、使えるかどうかも分かりません。
もし、皆様が事故に遭われて、直感的には「この件では、弁護士費用特約は無理そうだ」と思っても、念のため、契約している保険会社に確認することをお勧めいたします。

「弁護士費用特約が使えなくて……」といってご相談にお見えになる方に対し、「念のため、ご自身が契約している『保険』と名の付く全ての会社に対し確認してください。」と申し上げると、「弁護士費用特約が使えるようになりました!」とおっしゃる方が少なくありません。