交通事故案件の肝5~痛いところは全てカルテに~

交通事故に遭った時には、大抵の場合、病院に担ぎこまれます。担ぎ込まれた先では、お医者様が「痛いところはどこですか?」などと聞いてくださると思います。

その際、何もしなくても痛いところは勿論、動かすと痛いところも、必ずお医者様に告げて、カルテに書いてもらいましょう。

たとえば、後ろから追突されたということで病院に担ぎこまれたとします。
その際、首や肩が痛くなるでしょうから、「首が痛い」「肩が痛い」とお医者様に告げることは多いと思います。
ただ、それに加えて、「起き上がろうとすると頭痛がする」とか、「腰をひねると痛い」等、「○○すると痛い」ということがあれば、それも忘れずにお医者様に伝えてカルテに書いてもらってください。

というのも、「○○すると痛い」という症状が、特殊な病気・ケガの発見につながることもあるからです。

たとえば、「起き上がろうとすると頭痛がする」というのは、脳脊髄液減少症(髄液漏れ)の症状の一つと言われています。
脳脊髄液減少症の説明は、脳脊髄液減少症のホームページ様にお願いしたいと思います。
簡単に言えば、髄液が漏れることによって種々の不快な症状が出るものです。
しかし、脳脊髄液が漏れることによって種々の不快な症状が出ること自体、最近になってやっと知られてきた状態です。
そもそも「髄液が漏れる」ということを、画像で確認すること自体大変です。

そのため、まずは「起き上がろうとすると痛い」と事故直後に言っていれば、お医者様も「脳脊髄液減少症ではないか?」と疑ってくれて、脳脊髄液減少症の認定の第一歩を踏み出すことができます(あくまで第一歩です。認定までには遠い道のりです。)。
逆にいえば、 「起き上がろうとすると痛い」と事故直後に言っていないと、お医者様も脳脊髄液減少症とは疑ってくれず、第一歩すら踏み出せないこともありえます。

医学は日々進歩しています。「○○すると痛い」が、将来、何かの 症状の一つであることが発見されるかも知れません。
そのため、「○○すると痛い」というのも、残さずに言うようにしてください。