全ての企業に人権DDを

先日、PLJ2019のカンファレンスに出てきました。カンファレンスで実施された講演の一つにおいて、「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)が、国際連合の人権理事会において、全会一致で可決されたことを学びました。

「ビジネスと人権に関する指導原則」とは、企業に人権に対する配慮を求めるという内容を含んでいるということです。 内容の一つは、企業に人権デューディリジェンス(人権DD)の実施を求めるものだそうです。人権DDとは、人権に関する内部統制システムということです。

つまり、国連は、人権を守る体制作りを、企業に求めているということです。

「ビジネスと人権に関する指導原則」は、一見、大企業のみを対象にしているようですが、大企業に対し、サプライヤー(下請け等)にも人権を守らせるよう配慮すべきとされています。つまり、事実上、全ての企業が人権DDを求められるということになりそうです。

もちろん、人権DDを実施しないからといって、法律上のペナルティはありません。 しかし、人権DDを実施しないことで、レピュテーションリスク(有体にいえば、炎上リスク)を負ったり、ダイベストメントリスク(株式売却リスク)を負うことになりそうです。 あるいは、人権DDを実施しない下請けが元請けから切られるというリスクもあるでしょう。

講師の先生は、日弁連の「人権デュー・ディリジェンスのためのガイダンス」の解説文がほしいとおっしゃっていました。 そこで、僭越ながら、解説文を作らせていただきました。興味のある方は、以下のURLからダウンロードしてください。

「人権デュー・ディリジェンスのためのガイダンス」の私的解説

ただし、私個人の見解であって、日弁連の公式見解ではありません。 ただ、少しでも多くの方が、人権DDに興味をもっていただければ、とても嬉しいです。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。