【法改正速報】憲法改正手続法(国民投票法)・建築士法・副首都法など6法律が公布(2026年7月31日)【訂正あり】

【訂正】本稿では6法律の公布日を「令和8年7月28日」と記載していましたが、正しくは令和8年7月31日(法律第73号〜第78号)です。

報告件数:法律6件(いずれも令和8年7月31日公布)+政令1件(施行期日政令)

概要

第221回国会で成立した法律6件が、令和8年7月31日に公布されました(法律第73号〜第78号。内閣法制局「令和8年1月1日から現在までに公布された法律」による)。あわせて、産業競争力強化法等改正法の施行期日を定める政令等が令和8年7月28日に閣議決定されています。

なお、インターネット関連法(個人情報保護法・著作権法・電気通信事業法・情報流通プラットフォーム対処法・特定商取引法等)に直接関わる改正・施行は、本日時点では確認できませんでした。

原典未確認事項について

法律番号は、内閣法制局の公布法律一覧により、国民投票法改正が第73号、建築士法改正が第74号、建築物省エネ法改正が第75号、予防接種法改正が第76号、医療的ケア児支援法改正が第77号、副首都法が第78号です。

1.日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律(国民投票法改正)

  • 区分/年月日:公布(令和8年7月31日)/法律第73号
  • 提出:衆法第11号(新藤義孝君外8名提出)。衆議院本会議 令和8年6月19日可決。
  • 改正の概要:開票立会人の選任範囲を、各開票区の投票人名簿登録者から当該開票区が含まれる市町村の投票人名簿登録者へ拡大。投票立会人の選任対象を投票権を有する者全体に緩和。国民投票広報協議会の広報放送に、従来のAM放送に加えFM放送を追加。全体として投票環境の整備が中心です。
  • 施行日:公布の日から起算して3月を経過した日(衆議院憲法審査会参考資料の記載による。具体的な日付は官報未確認)
  • 実務上のポイント:議論されてきた放送CM規制・インターネット広告規制は本改正に含まれていません(令和3年改正法附則の検討条項に留まります)。インターネット上の国民投票運動・選挙運動をめぐる規制動向は引き続き注視が必要です。
  • 出典:首相官邸・令和8年7月28日定例閣議案件/衆議院憲法審査会 衆憲資第105号

2.建築士法の一部を改正する法律

  • 区分/年月日:成立(令和8年7月24日・参議院本会議全会一致)/公布(令和8年7月31日)/法律第74号
  • 改正の概要:二級建築士が一級建築士の免許を受けるために必要な二級建築士としての実務経験を、二級建築士になる前を含む実務経験が通算8年以上(建築科目を修めて高等学校等を卒業した者は卒業後通算6年以上)であることを要件に、4年から2年へ短縮。実務経験のみで二級建築士・木造建築士の免許を受ける場合の実務経験は7年から4年へ短縮。在学中の試験受験要件を新設。設計受託契約の相互交付義務を明確化。建築設備士の定義に登録要件を追加。
  • 施行日:公布の日から3年以内の政令で定める日(参議院議案情報の記載による)
  • 実務上のポイント:建築士事務所の顧問業務、設計・監理契約をめぐる紛争処理に影響します。設計受託契約の相互交付義務の明確化は、契約書面実務の見直し事項となります。
  • 出典:参議院・議案情報

3.国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律(副首都法・新法)

  • 区分/年月日:成立(令和8年7月24日・参議院本会議可決。衆議院は7月15日に修正可決)/公布(令和8年7月31日)/法律第78号
  • 概要:大規模災害等に備え「首都中枢機能代替地域」および「副首都」を設置。人口・国家社会機能の分散的配置、首都中枢機能のバックアップ等を基本理念として施策を推進する新法です。
  • 施行日:未確認
  • 出典:参議院・議案情報

4.建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律(建築物省エネ法改正)

  • 区分/年月日:公布(令和8年7月31日)/法律第75号
  • 提出:内閣提出第39号(令和8年3月27日提出)
  • 概要:改正内容の要旨は、参議院議案情報に本文要旨の掲載がなく未確認です。
  • 施行日:未確認
  • 出典:首相官邸・定例閣議案件/参議院・議案情報

5.予防接種法の一部を改正する法律

  • 区分/年月日:公布(令和8年7月31日)/法律第76号
  • 審議経過:衆議院本会議 令和8年6月30日全会一致可決
  • 概要:改正内容の要旨は未確認(参議院議案情報に要旨の掲載なし)。
  • 施行日:未確認
  • 出典:参議院・議案情報

6.医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部を改正する法律

  • 区分/年月日:公布(令和8年7月31日)/法律第77号
  • 審議経過:衆議院 令和8年7月14日全会一致可決(衆法第29号)
  • 概要:改正内容の要旨は未確認。
  • 施行日:未確認
  • 出典:参議院・議案情報

7.【政令】産業競争力強化法等改正法の施行期日を定める政令ほか

  • 区分/年月日:閣議決定(令和8年7月28日)。「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」の施行期日を定める政令および施行に伴う関係政令の整備政令。
  • 概要:同法は、大胆な投資促進税制(投資利益率15%以上・投資規模35億円以上等の要件を満たす特定生産性向上設備等)の創設、事業適応計画認定制度への新類型(国際経済事情激変対応・事業費上昇対応)の追加、地域経済牽引事業促進法における産業用地整備計画の承認制度の新設、貿易保険法における特定引受業務の創設等を内容とします。
  • 施行日:政令で定める具体的な施行日は官報未確認。
  • 出典:首相官邸・定例閣議案件/経済産業省・法律案の閣議決定

出典

【訂正(2026年10月7日)】本記事の次の記載を訂正しました。①6法律の公布日を「令和8年7月28日」(同日付官報で公布)とした記載(タイトル・冒頭・概要・各項)を令和8年7月31日公布に改め、官報の号数の記載を削りました。これに伴い、施行期日政令等の閣議決定日を「令和8年7月28日」と明記しました(根拠:内閣法制局「令和8年1月1日から現在までに公布された法律」、参議院議案情報の公布年月日欄)。②「法律番号は未確認」とした記載を、第73号〜第78号の各番号に改めました(根拠:同上)。③建築士法改正の実務経験短縮の記載を、通算8年(高校等卒業者は6年)以上の実務経験を要件とする二級建築士としての経験期間の短縮、及び実務経験のみで受ける場合の短縮である旨に改めました(根拠:参議院議案要旨(衆第38号)一・三、改正後の建築士法4条2項4号・4項4号)。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。