基本情報技術者試験に合格しました

昨年秋、プロバイダ責任法(誹謗中傷のネット書込について削除・個人情報開示を認める法律)関係の本を読んでいたところ、「プロバイダ責任法を扱うならば、基本情報技術者試験レベルの知識はあった方が良い。」という記載を発見しました。

丁度そのころ、間が良いことに、基本情報技術者試験の出願受付中でした。
そこで、早速、出願しました。

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/r03-2fe_exam.html

基本情報技術者試験で面白いのは、出願期間はもちろん、試験期間にも幅があるという点です。
普通、試験というと、年n回と決まっていて、「第1回は○月〇日、第2回×月×日……」となっています。
しかし、基本情報技術者試験は、試験期間が「○月〇日~×月×日」と設定されています。

これは、CBT試験だからです。CBT試験とは、試験会場に設置されたコンピュータを使用して実施する試験です。
つまり、マークシートに鉛筆で回答を塗る代わりに、マウスでクリックするのです。
そのためか、日時に幅があり、その幅の中であれば、好きな時に受けられます。

ただ、そうなると、一つの疑問が湧いてくると思います。
そうです。「問題を覚えられて、公開されてしまったらどうするの?」という疑問です。
たとえば、10月1日に受験した人が、問題を覚えてインターネットにアップロードしたら10月2日以降の受験者に有利になってしまいます。
そこで、問題を公開したり、他者に漏洩したら不合格になるという措置が採られています。
ちなみに、示唆(「○○がテーマだった」等)もダメとのことです。
一見すると、過去問が公開されてなかったころの旧司法試験のようです。しかし、漏洩もダメなので、受験生同士で問題を教え合って過去問を完成させるということもできません。
そのうえ、試験実施機関からは、CBTの過去問が公開されません。試験期間中に非公開なのは当然ですが、試験期間後も公開されないとのことです。
試験対策の基本は過去問なので、過去問非公開・漏洩禁止は厳しいなと思いました。

ちなみに、CBT試験自体は、違和感なく受験できました。確かに、1画面には1問しか映りません。
その代わり、あとで見直すために問題にフラグを付けることもできます。
問題番号をクリックすれば、瞬時にそのページに戻れます。

http://pf.prometric-jp.com/testlist/fe/exam_procedure.html

ただ、当たり前といえば当たり前ですが、問題文に書込ができません。
特に、「午後試験」と呼ばれる長文問題は、(新)司法試験を思い起こさせるくらい長いです。
なので、書込みが出来ないのは辛かったです。
この点については、試験対策中から問題文に書き込まずに解く訓練をすることで克服しました。

さて、CBT試験最大の特長は、試験終了後、数分で得点が分かるということです。
試験終了後、数分すると以下のような形でスコアレポートが見られるようになります。なお、スコアレポートの公開は許容されています。ご安心ください。

基本情報技術者試験は、午前試験(短文試験)・午後試験(長文試験)の両方が、素点で60点以上であれば合格です。
「上位〇%」ではありませんし、司法試験のように、後日、試験実施機関が合格ラインを決めるものでもありません。
(あまり受験者平均点が高すぎたり、低すぎたりすると、得点調整を行うという噂はありますが。)
そのため、試験直後にほぼ合否が判明するというものです。
これにより、合格発表日まで不安な気持ちになるということはありません。


ということで、基本情報技術者試験体験記でした。CBT試験になって過去問が非公開・漏洩禁止になったため、年を追うごとに対策が厳しくなるのではないかと推測します。もし、基本情報技術者試験に合格したいという方がいらっしゃれば、公開されている過去問で何とかなるうちに、受験してみてはいかがでしょうか。