相続法が変わります8
遺産の一部だけでも分割できます
【907条】
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
1 ひとこと解説
例えば、預金債権だけを先に分割することが可能になりました。
2 例
Bさんは、Aさんと結婚していました。Aさんは預金1000万円とA名義の家を遺して死亡しました。Aさんには、子Cがいました。
しかし、Cは遺産分割協議に応じてくれません。
このような場合、Bさんは、預金だけの遺産分割を家裁に求めることができるのです。
3 注意点
申立時に、遺産の全体を示したうえで、「遺産のうち、○○の分割を求める」と記載しなければならないようです。
遺産をよく調べず、「とりあえず、目についた預貯金だけ申立をして、分割してしまおう。」ということはできません。
4 補足
旧法の段階から、事実上、一部分割を認めた家裁もあるらしいと聞いております。