【法改正速報】マイナンバー法関係命令(カード代替電磁的記録の送信機能等)を改正・公布即日施行/改正地域公共交通活性化再生法が10月16日施行(2026年10月15日)

対象期間:2026年10月9日〜10月15日。報告件数5件(法律の施行間近1件、政令・省令等の公布4件)。第222回国会(臨時会、令和8年10月5日〜)では、内閣法制局の集計(令和8年10月13日現在)で成立件数は0件です。インターネット関連では、マイナンバー法に基づくカード代替電磁的記録に関する命令の改正があります。

1. 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に規定する個人番号、個人番号カード、特定個人情報の提供等に関する命令の一部を改正する命令(令和8年デジタル庁・総務省令第21号)【命令・公布・施行】

  • 公布・施行:令和8年10月15日(官報号外第226号)。附則第1項「この命令は、公布の日から施行する。」
  • 内容:カード代替電磁的記録(移動端末設備に組み込まれた電磁的記録媒体に記録されるもの)の送信を行うためのプログラムの基準(第39条の22)を改正。第5号で、機構に対する通知を送信する機能として、イ「発行されたカード代替電磁的記録の全部を送信した場合には、機構に対してその旨の通知を送信する機能」、ロ「発行されたカード代替電磁的記録のうち、送信された当該カード代替電磁的記録の数を確認し、機構に対し、直ちに当該カード代替電磁的記録に代わる新たなカード代替電磁的記録の発行を求める旨の通知を送信する機能」のいずれかを有することとし、ロの機能を有する場合は「機構がカード代替電磁的記録の有効期間が満了したことを把握するための機能」を求める第6号を新設。第4号(過去に送信を行った相手方以外の者に送信しない機能)には、「当該過去に送信を行ったカード代替電磁的記録を送信しなければ、当該送信の求めに対し、速やかに送信することができない状況にある場合を除き」との限定が加わりました。失効事由(第39条の11第1号)もイ・ロの機能の区分に応じて改められ、機構による特定カード代替電磁的記録発行者署名符号を用いた電子署名は、新第39条の5第6項で「主務大臣が定める期間ごとに」行うこととされました。
  • 同日、「個人番号カード等に関する技術的基準の一部を改正する件」(デジタル庁・総務省告示第38号、公布の日から施行)で、上記の期間を「3の(4)の期間」と定めています(期間の具体的な長さは未確認)。
  • 経過措置:施行の際現に改正前の基準により認定を受けている送信プログラムを提供する者は、改正後の基準により認定を受けている者とみなされます(附則第2項)。
  • 実務上のポイント:カード代替電磁的記録を送信するプログラム(アプリ等)の提供者に関わる技術基準の変更です。
  • 出典:官報 令和8年10月15日号外第226号 5〜8頁・18頁 https://www.kanpo.go.jp/20261015/20261015g00226/20261015g002260005f.html / e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/426M60000008085

2. 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第35号)【法律・施行間近】/関係省令(令和8年総務省令第117号)【省令・公布】

  • 施行日:令和8年10月16日(地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令〔令和8年政令第269号、令和8年9月4日公布〕)。附則第1条本文は「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日」、ただし附則第7条は公布の日から施行。
  • 内容(本稿で確認した範囲):第25条の2(地方債の特例)を新設。「地方公共団体が、認定鉄道事業再構築実施計画に定められた鉄道事業再構築事業(第二条第十号ホに掲げる措置に係る部分に限る。)で総務省令で定めるものに関する助成を行おうとする場合においては、当該助成に要する経費であって地方財政法第五条各号に規定する経費のいずれにも該当しないものは、同条第五号に規定する経費とみなす。」改正後の第2条第10号ホは「現行事業者が行う鉄道施設の建設若しくは改良又は車両の取得若しくは改良」(事業構造の変更とともに行うものについての限定あり)。法律全体の改正内容は本稿では網羅していません。
  • 総務省令第117号(令和8年10月13日公布、官報本紙第1806号):上記「総務省令で定めるもの」を、「国庫補助金の交付の対象となる鉄道事業再構築事業(事業構造の変更後に地方公共団体又は地方財政法第五条第五号に規定する公共的団体若しくは同号に規定する法人に帰属する鉄道施設又は車両に係る事業であって、同号に規定する経費に係る事業に限る。)」とする第3条を新設し、省令の題名を「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律第十二条、第十七条及び第二十五条の二に規定する軌道運送高度化事業、道路運送高度化事業及び鉄道事業再構築事業を定める省令」に改めます。附則「この省令は、令和八年十月十六日から施行し、令和八年度の地方債から適用する。」
  • 実務上のポイント:地方公共団体による鉄道施設・車両への助成経費が、一定の場合に地方債の対象経費(地方財政法第5条第5号)とみなされます。
  • 出典:官報 令和8年9月4日号外第198号2頁 https://www.kanpo.go.jp/20260904/20260904g00198/20260904g001980002f.html / 官報 令和8年10月13日本紙第1806号2頁 https://www.kanpo.go.jp/20261013/20261013h01806/20261013h018060002f.html / e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000059

3. 環境影響評価法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和8年政令第326号)・環境影響評価法施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第327号)【政令・公布】

  • 公布:令和8年10月15日(官報号外第226号)。施行期日:環境影響評価法の一部を改正する法律(令和7年法律第73号)の施行期日(附則第1条本文)を令和9年4月1日とする。政令第327号も同日(令和9年4月1日)から施行。
  • 改正法附則第1条:本文は「公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日」。ただし第1号(第41条第5項の改正規定及び附則第3条)は公布の日、第2号(目次の改正規定等)は「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」で、e-Gov の改正履歴ではこれらは施行済みとして反映されています。
  • 内容(本体部分のうち本稿で確認した規定):改正後第3条の3第2項は、既存工作物を除却し、又はその使用を廃止し、その区域又は近接区域(「当該既存工作物が設置されている区域の境界から政令で定める距離までの区域」)において同種の工作物(規模に係る数値の比が「政令で定める数値の範囲内であるものに限る。」)の新設を第一種事業として実施しようとする者は、配慮書に、前項第3号(事業実施想定区域及びその周囲の概況)及び第4号(計画段階配慮事項ごとの調査、予測及び評価の結果)に代えて、「事業実施想定区域」と「当該第一種事業に係る環境の保全のための配慮の内容」を記載すると定めます。
  • 政令第327号:新第7条の2で、上記の距離及び数値を、別表第一の五の項のホ又はヘ、ト又はチ、ワ又はカに該当する事業の区分ごとに、距離はいずれも300メートル、数値は発電所又は発電設備の出力についてそれぞれ2.0、1.3、1.1と定めます。あわせて別表第一の二の項を改め(ダム・堰の改築に係る区分等)、別表第二・第三の引用を整理します(改正前との詳細な比較は未確認)。
  • 実務上のポイント:既存の発電所等を除却等して近接区域に同種のものを新設する場合の計画段階環境配慮書の記載事項の特例が、令和9年4月1日から動き出します。
  • 出典:官報 令和8年10月15日号外第226号2〜5頁 https://www.kanpo.go.jp/20261015/20261015g00226/20261015g002260002f.html / e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000081

4. 農地法施行規則及び農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年農林水産省令第72号)【省令・公布】

  • 公布:令和8年10月9日(官報号外第223号)。施行:令和9年4月1日。ただし第2条(農山漁村再エネ法施行規則の改正)は公布の日から施行(附則第1条)。
  • 内容:①営農型太陽光発電を目的とする農地転用許可申請の添付書類(改正前第30条第2項。設計図、下部の農地の営農計画、営農への影響の見込みの根拠書類、撤去費用の負担を証する書面、毎年の栽培実績書・収支報告書の提出の誓約書)を削除。②第47条第6号(申請に係る農地の全てを申請に係る用途に供することが確実と認められない事由)を、改正前のイ〜チ(例:下部の農地の単収が市町村の平均的な単収と比較して「おおむね二割以上減少するおそれ」等)から、「農山漁村再エネ法第七条第一項の設備整備計画について同条第三項の認定の見込み(…)がないこと」に改める(括弧書により、地球温暖化対策推進法第二十一条第一項の地方公共団体実行計画(一定のもの)を策定した市町村の区域内では、同法第二十二条の二第一項の地域脱炭素化促進事業計画について同条第三項の認定の見込みとされる)。③第47条第2号の2を、法令(条例を含む。)で義務付けられている「行政庁との協議、周辺地域の住民に対する説明、行政庁への届出その他の手続を終えていないこと」に改め(改正前は「行政庁との協議を現に行つていること」)、第7号「申請者が、法第五十一条第一項の規定による原状回復等の措置を現に命じられていること」を新設(改正前は営農型太陽光発電の場合に限る事由として第6号チに置かれていたもの)。④第2条:農山漁村再エネ法施行規則第3条第2号にただし書を加え、区域に含まれる農用地が法第4条第1項の基本的な方針に基づき営農型太陽光発電設備の用に供する土地である場合は、イに該当することを要しないとする。
  • 経過措置:施行前にされた許可申請で処分がされていないものは従前の例による(附則第2条第1項)ほか、既に許可を受けている者等についての規定があります(附則第2条第2項〜第4項)。
  • 同日、関連して「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律に基づく設備整備計画の認定等に関する省令の一部を改正する省令」(農林水産省・環境省令第8号)も公布されています(本稿では内容未確認)。
  • 実務上のポイント:営農型太陽光発電の農地転用は、農山漁村再エネ法の設備整備計画の認定の見込みと結び付けて判断される枠組みに移ります。
  • 出典:官報 令和8年10月9日号外第223号5〜9頁 https://www.kanpo.go.jp/20261009/20261009g00223/20261009g002230005f.html

5. 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令の一部を改正する省令(令和8年環境省令第28号)【省令・公布】

  • 公布:令和8年10月15日(官報号外第226号)。施行:令和9年6月1日(附則第1条)。
  • 内容(主なもの):①犬及び猫以外の哺乳類のケージ等の規模を新設。うさぎは1頭当たり縦が頭胴長の2倍以上、横が1.5倍以上、高さが1.7倍以上。ハムスターは床面積が7.5に頭胴長の2乗を乗じた値以上・高さが頭胴長の2倍以上、モルモットは床面積が6に頭胴長の2乗を乗じた値以上・高さが頭胴長の1.5倍以上(複数頭の場合の加算あり)。②温度計・湿度計の備付け、日長変化に応じた光環境の管理の対象を「犬又は猫」から「哺乳類」に拡大。③哺乳類の健康状態が悪化した場合等は、「特別な事情があるときを除き、獣医師による診療を受けさせること」。④販売業者、貸出業者及び展示業者が行う哺乳類(犬及び猫を除く。)の展示は午前8時から午後10時までの間(特別な事情がある場合を除く。)で、1日の展示時間は12時間以内。⑤哺乳類を顧客等・見物客等と接触させる場合について、第一種動物取扱業者(販売業者、貸出業者及び展示業者)、届出をして貸出業又は展示業を行う者のいずれにも、接触を避けることができる場所の常時確保(極めて短時間の接触である場合を除く。)、あらかじめ文書又は口頭により接触方法について理解したことの確認、接触の前後の手指等の消毒、業務に従事する職員の必要な人数の確保等を求める規定を設ける。
  • 経過措置:施行の際現に法第10条第1項の登録を受けている者、及び施行日前に法第24条の2の2の届出をした者のケージ等の規模等については、施行日から起算して1年を経過する日までの間、一部の規定を適用しません(附則第2条・第3条)。
  • 出典:官報 令和8年10月15日号外第226号8〜18頁 https://www.kanpo.go.jp/20261015/20261015g00226/20261015g002260008f.html / e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/503M60001000007

出典

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。