【判例速報】知財高裁・商標「ナノソリューション」無効審判5件/福岡地裁小倉支部・体育授業事故(2026年8月19日)

裁判所ウェブサイトの新着裁判例のうち、当サイトの過去の速報で未報告のものは3件(関連事件5件を1件にまとめており、判決数では計7件)です。うちインターネット関連は0件でした。

【注記】裁判所サイトには掲載日(公開日)が表示されないため、「新着公開分」の厳密な特定はできません。裁判年月日ベースで直近の新着分を確認しています。

1.知的財産高等裁判所 令和8年8月10日 令和7(行ケ)10080(審決取消請求事件)

  • 事案:無効審判請求人(ライカ マイクロシステムズ シーエムエス社)が、中国科学技术大学の特許第7032817号「三次元画像化可能な顕微鏡及び画像化方法」について、無効不成立審決の取消しを求めた事案。
  • 判断:請求棄却。引用例(甲1)記載の「0.1mm/s」は仮定値であって実際のステージ速度ではないから、本件発明の相対運動速度との相違点は実質同一でも容易想到でもない。請求項10の「走査解除手段」も、明細書の共焦点走査型画像化の構成から当業者が理解でき、サポート要件を満たす。
  • 実務上のポイント:引用例中の数値が「仮定値」にとどまる場合の相違点認定の在り方を示した事例。
  • 出典裁判例詳細ページ判決文PDF

2.知的財産高等裁判所 令和8年8月5日 令和8(行ケ)10003・10004・10005・10006・10007(審決取消請求事件・計5件)

  • 事案:テックメディカルnano株式会社(原告)が、ナノソリューション株式会社(被告)の登録商標について、商標法4条1項7号・15号・16号該当を理由に、無効審判不成立審決の取消しを求めた一連の事案。対象商標は、登録第6415768号「ナノソリューションAg+」(図形入り・第5類)、第6466038号「ナノディフェンダー」(第1類・第5類)、第6513991号「ナノディフェンダーAg-t」、第6513992号「ナノソリューションAg+」(図形)、第6608151号「ナノソリューション」(第37類)。
  • 判断:いずれも請求棄却。各出願日時点で原告表示の周知著名性を認めるに足りる証拠がなく15号非該当。被告は設立当初から当該商品を取り扱い、OEM供給の実績もあることから、信用へのただ乗りとは認められず7号非該当。指定商品は医薬品ではなく第5類「薬剤」等であり、品質誤認を生じないとして16号非該当。
  • 実務上のポイント:取引先・OEM関係者による商標出願を争う場面で、「周知著名性の立証」と「出願経緯の不正性」の双方が高いハードルとなることを示す。5件はいずれも同一当事者間の同旨判断。
  • 備考:詳細ページの判示事項・裁判要旨はいずれも空欄のため、上記要旨および事件番号と登録番号の対応は判決文PDFに拠ります。
  • 出典

3.福岡地方裁判所小倉支部 令和8年7月9日 令和7(ワ)215(損害賠償請求事件)

  • 事案:高校2年生(当時)が体育の授業でトランポリンからの跳躍後に空中で回転できず顔面からマットに落下し、頸椎脱臼骨折・頸髄損傷により重度の四肢麻痺を負った事故につき、生徒本人と両親が、当該高校を設置管理する地方公共団体に対し、国家賠償法1条1項ないし債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案。
  • 判断:一部認容。本件試技は跳躍角度が高い場合に限らず低い場合も含めて失敗の可能性が容易に想定されるとして予見可能性を肯定。過去20年間類似事故がなかったことは、限定的な経験に基づく対策がされていたにすぎず、予見不可能の根拠にはならないとした。認容額は生徒本人につき1億5534万4176円(逸失利益1億4531万3787円、後遺障害慰謝料1990万円等から、日本スポーツ振興センター給付金3140万円を損益相殺)、両親につき各110万円。
  • 実務上のポイント:学校の体育授業事故における予見可能性の判断枠組みと、労働能力喪失率100%を前提とする高額逸失利益の算定例。事故後の学校側の説明内容を予見・回避可能性の推認材料としている点が参考になる。
  • 備考:詳細ページの裁判種別・結果・判示事項・裁判要旨はいずれも空欄のため、上記要旨は判決文PDFに拠ります。
  • 出典裁判例詳細ページ判決文PDF

出典

本記事は、裁判所ウェブサイト(courts.go.jp)掲載の以下の公式ページに基づいています。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。