【判例速報】大阪高裁・生活保護基準引下げ(デフレ調整)の違法と処分取消ほか計3件(2026年10月2日)
裁判所ウェブサイトの新着裁判例のうち、当サイトの過去の速報で未報告のものは3件です(インターネット関連分野に直接該当するものは0件)。
※裁判所サイトには掲載日(公開日)が表示されないため、裁判年月日ベースで直近の新着分を確認しています。今回の3件は、裁判年月日は1か月以上前ですが、新着一覧に新たに掲載されたものです。
1 大阪高裁・生活保護基準引下げ(デフレ調整)を違法として保護変更決定を取消し
- 裁判所:大阪高等裁判所 第4民事部
- 裁判年月日:令和8年7月30日
- 事件番号:令和5(行コ)70(原審:大津地裁 平成26(行ウ)16)
- 事件名:生活保護変更決定処分取消等請求控訴事件
事案の概要
平成25年~平成27年の厚生労働省告示による生活扶助基準改定(ゆがみ調整・デフレ調整)に基づく保護変更決定について、受給者らが市に対し処分の取消しを、国に対し国家賠償を求めた控訴審です。
判断の要旨
原判決中、市に関する部分を取り消し、各保護変更決定を取り消しました。国に対する控訴は棄却。最高裁令和7年6月27日第三小法廷判決を参照し、「物価変動率のみを直接の指標としてデフレ調整をすることとした点において」厚生労働大臣の判断に裁量権の逸脱・濫用があり、生活保護法3条・8条2項に違反すると判断しました。ゆがみ調整については不合理な点はないとし、国家賠償法1条1項の違法は否定しています。
実務上のポイント
最高裁令和7年判決の枠組みに沿い、処分取消しは認めつつ国家賠償は否定した判断です。同種の基準引下げ訴訟の帰趨を見るうえで参考になります。インターネット関連業務への直接の影響はありません。
2 東京地裁・オイルタンカーの荷役方法に関する特許権侵害差止請求を棄却
- 裁判所:東京地方裁判所 民事第29部
- 裁判年月日:令和8年9月11日
- 事件番号:令和6(ワ)70334
- 事件名:特許権侵害差止等請求事件(特許権)
事案の概要
「オイルタンカーのハイブリッド荷役方法及びその方法に用いるカーゴポンプ原動機システム」(特許第6773664号)の特許権者である個人が、外国法人である船舶所有者・船舶管理者に対し、被告船舶の日本国内への入港禁止、荷役方法・荷役システムの使用差止めを求めた事案です。
判断の要旨
請求棄却。被告船舶の荷役方法及びカーゴオイルポンプシステムが本件各発明の技術的範囲に属すると認めることはできないとし、その余の争点(実施の有無・差止めの必要性)は判断していません。
実務上のポイント
被告側の実施態様を直接示す客観的証拠を欠く場合に充足性の立証が困難となることを示す一例です。インターネット関連業務への直接の影響はありません。
※充足性を否定した具体的な理由付けの詳細は未精査です。
3 仙台地裁・覚醒剤の営利目的所持等と拘禁刑・罰金の併科
- 裁判所:仙台地方裁判所 第2刑事部
- 裁判年月日:令和8年8月28日
- 事件番号:令和7(わ)691等
- 事件名:覚醒剤取締法違反、麻薬特例法違反
事案の概要
被告人が、令和6年3月から令和7年10月にかけて、営利目的での覚醒剤所持、自己使用、複数回の所持等に及んだ事案です(被告人は各事実を認めています)。
判断の要旨
拘禁刑7年6月及び罰金50万円(未決勾留200日算入)、覚醒剤12袋の没収、7万1000円の追徴。量刑理由では、被告人が各事実を認め反省の言葉を述べていることなどを考慮したうえで、「この種事犯が経済的に割に合わないことを知らしめるために」罰金刑を併科するのが相当としました。
実務上のポイント
薬物の営利目的事犯における拘禁刑・罰金併科の量刑例です。判決文上、インターネット・SNSの利用に関する記載は確認できませんでした。
※麻薬特例法違反部分の具体的な内容は未精査です。

