弊所FAQ14~再逮捕とは?~
Q とある犯罪で、逮捕されていた人が、同じ犯罪で再逮捕されたという報道を耳にしました。逮捕された直後に同じ犯罪をするのは許せません。
A そもそも、逮捕は罰ではなく、逮捕時点では、犯罪を行ったと断定できません。また、再逮捕は、1回目の逮捕より前に行ったとされる犯罪に関してされることが多いと思います。
【解説】
「再逮捕」は刑事訴訟法に規定がないです。ただ、私の経験では、再逮捕というと、1回目の逮捕の取り調べ中に、過去の犯罪が発覚したので、1回目の逮捕・勾留直後に逮捕することを指すように感じます。
たとえば、今年10月1日に窃盗の疑いで逮捕・勾留された人が、取り調べ中に「実は、今年9月1日にも窃盗をしました。」と自白したとします。この場合、10月1日の逮捕・勾留が終わった直後に、9月1日の窃盗で逮捕されることがあります。このような場合を、「再逮捕」と呼ぶことが多いように思います。
ちなみに、今年10月1日に逮捕された人が、不起訴処分となった後に、11月1日に窃盗をして逮捕された場合は、単に「二度目の逮捕」ということが多いように感じます。「再逮捕」でも、間違いではないのでしょうが、「再逮捕」と呼ぶ人は少ないように思います。
ちなみに、逮捕・勾留が終わった直後の再逮捕の場合、1回目の逮捕・勾留については、「処分保留釈放」の扱いになっていることが極めて多いと感じます。
ただし、処分保留釈放の直後に逮捕されるので、シャバに出られるという意味ではありません。
私が聞いた限りですと、
①留置施設(留置場)から一歩も出ることなく、逮捕状だけ示されて「処分保留釈放のうえ、再逮捕です。」と告げられるパターン、
②「処分保留釈放です。ただし、再逮捕の予定です。」と言われ、留置施設から一歩だけ出たところで逮捕状を示され、「再逮捕です。」と言われ、留置施設にすぐ戻るパターン、
③「処分保留釈放です。ただし、再逮捕の予定です。」と言われ、警察の建物から一歩出たところで逮捕状を示され、「再逮捕です。」と言われ、留置施設にすぐ戻るパターン、
等があるようです。
③だと、すぐ戻らなければならないにも拘らず、一応荷物をまとめなければならないので、被疑者の方々には不評だそうです。
そして、この再逮捕が絡む処分保留釈放については、必ずしも不起訴になる確率は低くなく、再逮捕の事実とまとめて起訴されることも決して珍しくありません。
ということで、「再逮捕」といっても、逮捕後に何か犯罪を行ったとは限らないというお話でした。