【法改正速報】防災庁の情報通信技術活用法施行規則(電子申請・電子署名)と聴聞手続規則など防災庁令を公布・施行(2026年11月3日)

対象期間:2026年10月27日〜11月3日。報告件数4件(防災庁令の制定3件、省令の改正1件。いずれも令和8年11月2日公布・施行)。

令和8年11月2日、防災庁設置法(令和8年法律第61号)の施行の日に、防災庁の発足に伴う防災庁令が官報(特別号外第60号)に掲載されました。防災庁の所管する法令に係る手続のオンライン化(電子申請・電子署名・電子証明書)を定める規則、行政手続法に基づく聴聞の手続を定める規則、組織規則などです。同日の官報本紙には、個人向け国債に関する財務省令の改正も掲載されています。

1. 防災庁の所管する法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(令和8年11月2日公布・施行)

  • 法令名:防災庁の所管する法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(令和8年防災庁令第3号)(防災庁令。新規制定)
  • 区分と年月日:公布・施行(令和8年11月2日)
  • 趣旨:防災庁の所管する法令(告示を含む。)に係る手続等を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法により行う場合について、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条から第9条までの規定に基づき定めます。他の法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規則に特別の定めのある場合は、それによります(第1条第1項)。
  • 電子署名:「電子署名」には、電子署名及び認証業務に関する法律第2条第1項に規定する電子署名のほか、政府認証基盤の官職証明書に基づく電子署名、地方公共団体組織認証基盤の職責証明書に基づく電子署名が含まれます(第2条第2項第1号)。
  • 電子証明書:電子署名を行うこととされている申請等では、登記官が作成した電子証明書、地方公共団体情報システム機構の署名用電子証明書、内閣総理大臣が告示で定める電子証明書、行政機関等が指定する電子証明書のいずれかを併せて送信します。ただし、法人共通認証基盤の利用その他の、行政機関等の指定するところにより申請等を行った者を確認するための措置を講ずる場合は、「この限りでない」とされています(第4条第2項)。
  • 電子で行うことが困難な部分がある場合:申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情があると行政機関等が認める場合や、申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると行政機関等が認める場合が定められています(第7条第1項)。この場合、申請等のうち電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分の提出は、電子情報処理組織を使用して申請等を行った日から一週間以内にしなければなりません(同条第2項)。
  • 作成等の方法:行政機関等が情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第9条第1項により電磁的記録で作成等を行う場合は、行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は電磁的記録媒体をもって調製する方法によります。ただし、当該作成等は、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の情報通信技術の進展の状況を踏まえた適切な方法によるものとされています(第13条第1項。同条第2項も、防災庁の所管する法令の他の規定による作成等について同旨)。
  • 施行日:公布の日(令和8年11月2日)(附則)
  • 実務上のポイント:防災庁の所管する法令に係る申請等を電子で行う場合の電子証明書の種類や、電子で行うことが困難な部分の提出期限(電子情報処理組織を使用して申請等を行った日から一週間以内)を確認しておく必要があります。
  • 出典:官報 令和8年11月2日 特別号外第60号 3〜5頁 https://www.kanpo.go.jp/20261102/20261102t00060/20261102t000600003f.html

2. 防災庁聴聞手続規則(令和8年11月2日公布・施行)

  • 法令名:防災庁聴聞手続規則(令和8年防災庁令第2号)(防災庁令。新規制定)
  • 区分と年月日:公布・施行(令和8年11月2日)
  • 概要:行政手続法第3章第2節の規定を実施するために定められた規則です(制定文)。内閣総理大臣又は法律の規定に基づき内閣総理大臣から権限を委任された所部の職員が行う不利益処分に係る聴聞の手続については、他の法律及び法律に基づく命令に特別の定めがある場合を除くほか、「この庁令の定めるところによる」とされています(第1条)。
  • 期日の変更:当事者は、やむを得ない理由がある場合には、行政庁に対し、聴聞の期日の変更を申し出ることができます(第3条第1項)。
  • 関係人の参加:参加の許可の申請は、聴聞の期日の十四日前までに、氏名、住所及び当該聴聞に係る不利益処分につき利害関係を有することの疎明を記載した書面を主宰者に提出して行います(第4条第1項)。
  • 文書等の閲覧:閲覧の請求は、氏名、住所及び閲覧をしようとする資料の標目を記載した書面を行政庁に提出して行います。ただし、聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった場合の閲覧については、「口頭で求めれば足りる」とされています(第5条第1項)。
  • 補佐人:補佐人の出頭の許可の申請は、聴聞の期日の七日前までに、補佐人の氏名、住所、当事者又は参加人との関係及び補佐する事項を記載した書面を主宰者に提出して行います。ただし、行政手続法第22条第2項(第25条後段において準用する場合を含む。)の規定により通知をされた聴聞の期日に出頭させようとする補佐人であって、既に受けた許可に係る事項につき補佐するものについては、「この限りではない」とされています(第7条第1項。続行期日又は聴聞の再開後の期日が対象です)。補佐人の陳述は、当事者又は参加人が直ちに取り消さないときは、自ら陳述したものとみなされます(同条第3項)。
  • 施行日:公布の日(令和8年11月2日)(附則)
  • 実務上のポイント:防災庁の所管する法令に基づく不利益処分の聴聞に代理人として関与する場合、関係人の参加許可申請(期日の十四日前まで)と補佐人の出頭許可申請(期日の七日前まで)の期限に注意が必要です。
  • 出典:官報 令和8年11月2日 特別号外第60号 2〜3頁 https://www.kanpo.go.jp/20261102/20261102t00060/20261102t000600002f.html

3. 防災庁組織規則(令和8年11月2日公布・施行)

  • 法令名:防災庁組織規則(令和8年防災庁令第1号)(防災庁令。新規制定)
  • 区分と年月日:公布・施行(令和8年11月2日)
  • 概要:防災庁設置法及び防災庁組織令(令和8年政令第304号)を実施するため定められました。防災庁に、企画官、人事企画官、防災情報通信システム官、政策調整官、地域防災調整官、防災デジタル調整官、普及啓発・防災教育調整官、災害緊急事態対処調整官、避難支援調整官、物資支援・物資輸送調整官及び復旧復興調整官を置きます(第1条第1項)。企画官の定数は併任の者を除き十人、その他の各官の定数はそれぞれ一人です(第1条第13項)。また、非常勤の防災庁顧問・防災庁参与を置くことができます(第2条・第3条)。
  • 施行日:公布の日(令和8年11月2日)(附則)
  • 実務上のポイント:防災情報通信システム官や防災デジタル調整官など、防災に関する情報通信システムやデジタル技術の活用を担う官が置かれます。
  • 出典:官報 令和8年11月2日 特別号外第60号 2頁 https://www.kanpo.go.jp/20261102/20261102t00060/20261102t000600002f.html

4. 個人向け国債の発行等に関する省令第七条第三項の臨時特例に関する省令の一部を改正する省令(令和8年11月2日公布・施行)

  • 法令名:個人向け国債の発行等に関する省令第七条第三項の臨時特例に関する省令の一部を改正する省令(令和8年財務省令第65号)(省令)
  • 区分と年月日:公布・施行(令和8年11月2日)
  • 概要:平成28年熊本地震により、平成25年内閣府令第68号第2条第1号に該当するものとして災害救助法の適用を受けた区域に居住する者が、個人向け国債の中途換金の特例(個人向け国債の発行等に関する省令第7条第1項第2号)による請求をする場合に、取扱機関が当該請求者と面識がある場合その他の当該請求者が当該区域に居住していることを確認できる場合は同条第3項に定める書類が提出されたものとみなす臨時特例の省令(平成23年財務省令第3号)について、その本文中で引用している平成25年内閣府令第68号の題名(「災害救助法施行令第一条第一項第三号の内閣府令で定める特別の事情等を定める内閣府令」)の中の「内閣府令」2か所を「防災庁令」に改めます。
  • 施行日:防災庁設置法(令和8年法律第61号)の施行の日(令和8年11月2日)(附則)
  • 実務上のポイント:防災庁の発足に伴う引用の整理です。特例の内容自体を改める改正ではありません。
  • 出典:官報 令和8年11月2日 本紙第1820号 2頁 https://www.kanpo.go.jp/20261102/20261102h01820/20261102h018200002f.html

出典

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。