【法改正速報】郵便法施行規則等改正(定形郵便物・定形信書便物の料金の上限の額の認可申請)を公布/ニッケル系ステンレス冷延鋼板の不当廉売関税を本措置化・10月31日施行ほか(2026年10月31日)
対象期間:2026年10月24日〜10月31日。報告件数5件(政令の公布2件(うち1件は10月31日施行)、省令・内閣府令の公布3件(うち2件は公布即日施行))。
令和8年10月30日の官報(号外第238号)で、郵便法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第124号)が公布されました。定形郵便物・定形信書便物の料金の上限を省令で110円と定める方式から、事業者が上限の額を定めて総務大臣の認可を受ける方式に移るのに伴い、認可申請の手続を定めるものです(令和8年12月1日施行)。同日、ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板に対する暫定的な不当廉売関税を、令和8年10月31日から令和13年10月30日までを課税期間とする不当廉売関税に改める政令(令和8年政令第340号)も公布され、10月31日に施行されました。ほかに、金融商品取引業等に関する内閣府令の改正(自己資本規制比率の控除資産)、副首都法施行規則の制定、総務省組織令の改正があります。
1. 郵便法施行規則等改正――定形郵便物・定形信書便物の料金の上限の額の認可申請手続を規定(令和8年12月1日施行)
- 法令名:郵便法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第124号)(省令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 根拠となる法改正:郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第42号)による改正後の郵便法第67条第3項は、「会社は、定形郵便物の料金の上限の額を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。」と定めます(「会社」は日本郵便株式会社。同法第2条)。改正後の民間事業者による信書の送達に関する法律第16条第3項も、一般信書便事業者について、定形信書便物の料金の上限の額を定めて総務大臣の認可を受けなければならないと定めます。
- 概要(郵便法施行規則):現行の第23条は「法第六十七条第二項第三号の総務省令で定める額は、百十円とする。」と定めています。改正後の第23条は、会社が法第67条第3項の規定により定形郵便物の料金の上限の額の認可を受けようとするときは、「定形郵便物の料金の上限の額(変更の認可の申請の場合は、新旧の対照を明示すること。)」と「変更の認可の申請の場合は、変更を必要とする理由」を記載した申請書を提出しなければならないとし、上限の額の算出の根拠に関する説明書と郵便の役務に関する事業収支見積書の添付を求めます。法第67条の項の繰下げに合わせて、第24条から第27条まで及び国際郵便規則の引用条項も改められます。
- 概要(信書便法施行規則):民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の現行の第23条は「法第十六条第二項第二号の総務省令で定める額は、百十円とする。」と定めています。改正後の第23条は、法第16条第3項の認可を受けようとする者は、様式第12の2の申請書に、定形信書便物の料金の上限の額の算出の根拠に関する説明書と信書便の役務に関する事業収支見積書を添えて提出しなければならないとします。様式第12の2(定形信書便物の料金の上限額設定(変更)認可申請書)が新設されます。
- 施行日:郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(令和8年12月1日)(附則)
- 実務上のポイント:施行後、定形郵便物の料金の額は、総務大臣の認可を受けた上限の額を超えないものでなければならなくなります(改正後の郵便法第67条第2項第3号)。総務大臣は、上限の額が「郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含む定形郵便物の料金の水準を超えないと認めるときでなければ」認可をしてはならない、とされています(同条第4項)。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 50〜53頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 郵便法施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000008005
e-Gov法令検索 民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000008027
2. ニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板の不当廉売関税――暫定措置から課税期間5年の措置へ(令和8年10月31日施行)
- 法令名:ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板に対して課する暫定的な不当廉売関税に関する政令の一部を改正する政令(令和8年政令第340号)(政令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)・施行(令和8年10月31日)
- 改正前の措置:改正前の政令(令和8年政令第224号)は、関税定率法第8条第9項の規定により、中国(香港地域及びマカオ地域を除く。)又は台湾、澎湖諸島、金門及び馬祖から成る独立の関税地域(台湾)を原産地とするもの、又はこれらから本邦に輸出されたニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板のうち、「この政令の施行の日から令和八年十一月八日までの期間」内に輸入されるものに、暫定的な関税(暫定不当廉売関税)を課していました(第1条第1項)。
- 概要:題名を「ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板に対して課する不当廉売関税に関する政令」に改め、課税の根拠を関税定率法第8条第1項に、課税期間を「令和八年十月三十一日から令和十三年十月三十日までの期間」に改めます。あわせて、令和8年7月9日から同年10月30日までの期間内に輸入されたもの(暫定不当廉売関税賦課貨物)にも、同条第2項(第1号に係る部分に限る。)の規定により不当廉売関税を課します(第1条第2項)。還付の請求は、毎年10月1日から翌年9月30日までの期間(計算期間)ごとにしなければならないとする第5条が加わります。税率を定める第2条は、税率の適用対象に暫定不当廉売関税賦課貨物を加えるよう改められますが、税率の数値(中国を原産地とするもの等は42.1パーセント、台湾を原産地とするもの等は20.1パーセント。別表に掲げる生産者により生産されたものは同表の税率)は改められていません。
- 施行日:令和8年10月31日(附則第1項)
- 実務上のポイント:関税定率法第8条第2項後段により、暫定措置がとられていた期間内に輸入された貨物に課することができる不当廉売関税の額は、暫定的な関税又は提供を命ぜられた担保により保証された額が限度です。また、暫定的な関税が納付されているときは、不当廉売関税が納付されたものとみなされます(同条第3項)。対象貨物の輸入者は、課税期間と税率を確認しておく必要があります。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3頁・9頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板に対して課する暫定的な不当廉売関税に関する政令 https://laws.e-gov.go.jp/law/508CO0000000224
e-Gov法令検索 関税定率法 https://laws.e-gov.go.jp/law/143AC0000000054
3. 金融商品取引業等に関する内閣府令改正――自己資本規制比率の控除資産(固定資産)の額から、リースの使用権資産についてリース負債の額等を差し引けるように(公布即日施行)
- 法令名:金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(令和8年内閣府令第95号)(内閣府令)
- 区分と年月日:公布・施行(令和8年10月30日)
- 概要:金融商品取引業者の自己資本規制比率(金融商品取引法第46条の6第1項)の算出では、固定資産等の額を控除します(同府令第177条第1項第1号)。改正前の同条第2項は、固定資産のうち「金融商品取引業者が自己の債務の担保に供したものであって」、建物・土地に当たるものについて、借入金の額又は評価額のうちいずれか少ない額を固定資産の額から控除できるとしていました。改正後は、建物・土地を各号(第1号・第2号)で「金融商品取引業者が自己の債務の担保に供した」ものと定めたうえで、第3号として「リース(契約に定められた期間の中途において当該契約を解除することができないもの及びこれに準ずるものを除く。)に係る使用権資産(対応する原資産が有形固定資産である場合に限る。)」を加え、「当該リースに係るリース負債の額又は当該使用権資産の額のうちいずれか少ない額」を控除できるとします。第3項・第8項の引用は「前項第一号及び第二号」「第二項第一号及び第二号」に改められます。
- 施行日:公布の日(令和8年10月30日)(附則)
- 実務上のポイント:第3号の対象は、括弧書のとおり、中途解約ができないリース及びこれに準ずるものを除いたリースに係る使用権資産で、原資産が有形固定資産であるものに限られます。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 23頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 金融商品取引業等に関する内閣府令 https://laws.e-gov.go.jp/law/419M60000002052
4. 副首都法施行規則を制定・公布即日施行――指定都市と道府県の連携体制の要件等を規定
- 法令名:国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律施行規則(令和8年内閣府令第92号)(内閣府令・新規制定)
- 区分と年月日:公布・施行(令和8年10月30日)
- 概要:同法施行令(令和8年政令第342号)第2条第3項第2号は、副首都の指定に必要な地方行政体制の一つとして、指定都市と道府県の連携協約の締結等に加え、施策の推進に関する一体性、統一性及び透明性を確保するために必要な取組として内閣府令で定めるものを実施する体制の整備を求めています。施行規則は、その取組として、①指定都市と道府県が相互間の協議を行う場合は、誠実に協議を行うとともに、協議が調うように努めるほか、必要と認めるときは相手方に意見を申し出ることができる旨を約していること、②指定都市都道府県調整会議(地方自治法第252条の21の2第1項)で、毎会計年度少なくとも2回以上の協議(事務の実施状況の報告を含む。)を行うこと、指定都市の長と道府県の知事が協議した事項を公表し、それぞれの議会に報告することを定めていること、を規定します(第1条)。施行令第2条第3項第2号ホの内閣府令で定める公共施設(一般国道(国土交通大臣が管理を行う区間外のもの)・都道府県道のうち一部が指定都市の区域内に存するもの、一定の一級河川・二級河川、指定都市又は道府県が管理する国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾、指定都市又は道府県が設置する都市公園のうち敷地面積が50ヘクタール以上のもの)(第2条)、同号ヘの内閣府令で定める公益的施設(指定都市又は道府県が整備及び管理するスポーツ施設、文化施設、会議場施設等のうち、一の市町村の区域を超える広域の利用に供することが見込まれるもの)(第3条)、連携協約の締結・変更・廃止の内閣総理大臣への通知(第4条)も定めます。
- 施行日:公布の日(令和8年10月30日)(附則)
- 実務上のポイント:副首都の指定は道府県からの申出に基づいて行い、申出をしようとする道府県は、あらかじめ議会の議決を経なければなりません(法第18条第2項)。指定及びその解除に関し必要な事項は内閣府令で定めるとされています(同条第7項)。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3〜4頁・11頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/508AC1000000078
5. 総務省組織令改正――郵政行政部の所掌事務に地域貢献基金等を追加(令和8年12月1日施行)
- 法令名:総務省組織令の一部を改正する政令(令和8年政令第339号)(政令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 概要:情報流通行政局郵政行政部企画課の所掌事務(第87条第8号)を「日本郵政株式会社の組織及び運営一般に関すること(地域貢献基金に関するものを除く。)」に改め、第9号として「日本郵便株式会社の組織及び運営一般に関すること(郵便局の設置に関するものを除く。)」を加えます。郵便局活用課の所掌事務(第89条)には「地域貢献基金に関すること」が加わります。
- 施行日:郵政民営化法等の一部を改正する法律(令和8年法律第50号)の施行の日(令和8年12月1日)(附則)
- 実務上のポイント:郵政民営化法等改正法の施行に合わせた総務省内の事務分担の整理です。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3頁・9頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 総務省組織令 https://laws.e-gov.go.jp/law/412CO0000000246
出典
- 官報 令和8年10月30日 全体目次 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030.fullcontents.html
- 官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
- e-Gov法令検索 郵便法 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165
- e-Gov法令検索 民間事業者による信書の送達に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000099
- e-Gov法令検索 郵便法施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000008005
- e-Gov法令検索 民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000008027
- e-Gov法令検索 ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板に対して課する暫定的な不当廉売関税に関する政令 https://laws.e-gov.go.jp/law/508CO0000000224
- e-Gov法令検索 関税定率法 https://laws.e-gov.go.jp/law/143AC0000000054
- e-Gov法令検索 金融商品取引業等に関する内閣府令 https://laws.e-gov.go.jp/law/419M60000002052
- e-Gov法令検索 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/508AC1000000078
- e-Gov法令検索 総務省組織令 https://laws.e-gov.go.jp/law/412CO0000000246

