【法改正速報】郵便法・信書便法改正法(定形郵便物の料金上限の認可制)が12月1日施行に/商業登記規則改正で代表者住所の非表示措置を株式会社以外の会社・支配人等に拡大ほか(2026年10月30日)
対象期間:2026年10月23日〜10月30日。報告件数5件(法律の施行期日を定める政令1件、政令の公布3件(うち1件は公布即日施行)、省令の公布1件)。
令和8年10月30日の官報(号外第238号)で、郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第42号)の施行期日を令和8年12月1日とする政令(令和8年政令第341号)が公布されました。同日、代表者等の住所を登記事項証明書等に表示しない措置の対象を広げる商業登記規則等の一部を改正する省令(令和8年法務省令第51号。令和8年12月1日施行)、日本国憲法の改正手続に関する法律施行令の改正政令(令和8年政令第337号)、政治資金規正法施行令及び政党助成法施行令の改正政令(令和8年政令第338号)、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律施行令(令和8年政令第342号)も公布されています。
1. 郵便法・信書便法改正法の施行期日が令和8年12月1日に(施行期日政令を公布)
- 法令名:郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和8年政令第341号)(政令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 概要:郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第42号。令和8年6月19日公布)は、附則第1条で「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」としていました(附則第3条・第4条は公布の日から施行)。政令第341号により、その施行期日は令和8年12月1日と定められました。
- 改正の内容(郵便法):郵便に関する料金の原則(第3条)が、「適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものでなければならない」から、「適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含む料金の水準を上回らないものであつて、会社の経営の状況に照らして適切なものでなければならない」に改められます。定形郵便物(第一種郵便物(郵便書簡を除く。)のうち大きさ及び形状が総務省令で定める基準に適合するもので、重量が25グラム以下のもの)の料金の額は、現行では「総務省令で定める額を超えないもの」とされていますが(第67条第2項第3号)、改正後は、日本郵便株式会社が定形郵便物の料金の上限の額を定めて総務大臣の認可を受け(同条第3項)、料金の額はその上限の額を超えないものとされます。総務大臣は、上限の額が「郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含む定形郵便物の料金の水準を超えないと認めるときでなければ」認可をしてはならないとされます(同条第4項)。料金等の変更命令(第71条)の対象にも、認可を受けた上限の額が含まれます。
- 改正の内容(信書便法):一般信書便事業者についても、定形信書便物の料金の上限の額を定めて総務大臣の認可を受ける仕組みが設けられます(民間事業者による信書の送達に関する法律第16条第3項・第4項)。事業改善の命令(第27条)には、上限の額が適正な水準を超えると認められる場合に上限の額を変更することが加わります。
- 経過措置:施行日の前日に改正前の郵便法第67条第2項第3号の総務省令で定められていた額は、施行日に、日本郵便株式会社が定めて認可を受けた定形郵便物の料金の上限の額とみなされます(改正法附則第2条)。
- 施行日:令和8年12月1日
- 実務上のポイント:施行日以後、定形郵便物の料金の上限は総務省令ではなく日本郵便株式会社の申請と総務大臣の認可で定まる仕組みになります。施行時点の上限の額は、経過措置により現行の総務省令の額が引き継がれます。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3頁・9頁、e-Gov法令検索 郵便法、民間事業者による信書の送達に関する法律
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 郵便法 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165
e-Gov法令検索 民間事業者による信書の送達に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000099
2. 商業登記規則等改正――代表者等の住所の非表示措置を株式会社以外の会社・支配人・一般社団法人等に拡大(令和8年12月1日施行)
- 法令名:商業登記規則等の一部を改正する省令(令和8年法務省令第51号)(省令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 概要:改正前の商業登記規則第31条の3は、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人(代表取締役等)の住所について、登記事項証明書等に行政区画以外のものを記載しない措置(代表取締役等住所非表示措置)を申し出ることができると定めていました。改正後は、対象が「会社(外国会社を含む。以下この条において同じ。)の代表者(合名会社又は合資会社の社員、清算持分会社の清算人及び会社の代表者が法人である場合における当該会社の代表者の職務を行うべき者を含み、外国会社の日本における代表者を除く。)又は会社の支配人」(代表者等)に広がり、措置の名称も「代表者等住所非表示措置」となります(改正後第31条の3第1項)。
- 添付書面:上場会社以外の会社の代表者等について申し出る場合は、本店の実在を確認した資格者代理人の書面等(イ)、代表者等の住所を証する公務員作成の証明書(ロ)、実質的支配者の本人特定事項を証する書面(ハ)が必要です(同項第1号)。ただし、上場会社以外の会社の支配人の住所について申し出る場合は、第1号ロの書面で足ります(同項第2号)。上場会社は、株式が上場されていることを認めるに足りる書面です(同項第3号)。既に代表者等住所非表示措置が講じられている会社(第1項第2号の措置のみが講じられている会社を除く。)が申し出る場合は、第1号イ及びハの書面又は第3号の書面の添付を要しないとする第2項が新設されます。
- 関連する改正:一般社団法人等登記規則第3条が準用する商業登記規則の範囲が「第二十七条から第三十一条の三まで(同条第一項第二号及び第三号に係る部分を除く。)」に改められ、一般社団法人等の代表者にも同じ措置が及びます(省令第7条)。電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行規則第1条の2第2号の2も、「代表者等住所非表示措置」に合わせて改められます(省令第6条)。
- 経過措置:施行の際現に講じられている改正前第31条の3第2項の規定による措置は、改正後第31条の3第3項の規定による措置とみなされます(附則第2条)。特例有限会社については、第1項中「合名会社又は合資会社の社員、清算持分会社の清算人」を「取締役、監査役、清算人」として適用します(附則第3条)。
- 施行日:令和8年12月1日(附則第1条)
- 実務上のポイント:持分会社の代表社員、外国会社の代表者(日本における代表者を除く。)、会社の支配人、一般社団法人・一般財団法人の代表者の住所も、申出により登記事項証明書等で行政区画までの表示にとどめることができるようになります。登記申請の際に申し出る仕組みであり、添付書面の要否は会社の区分によって異なります。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 55〜64頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
3. 国民投票法施行令改正――在外投票人名簿手続の簡素化、期日前投票の宣誓の見直し等(改正国民投票法と同日の10月31日施行)
- 法令名:日本国憲法の改正手続に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第337号)(政令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 概要:官報掲載の「本号で公布された法令のあらまし」によれば、主な内容は次のとおりです。在外投票人名簿登録申請書等の領事官から市町村の選挙管理委員会への送付を、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条第1項の電子情報処理組織を使用して行うときは、外務大臣を経由することを要しないものとします(第15条第2項、第16条第4項、第21条第4項)。投票管理者の交替制を採る場合の告示、投票管理者等の住所の一部の告示、送致不能開票区に関する指定関係投票区の定め、期日前投票・不在者投票の事由に該当する旨の宣誓の見直し(国民投票の当日に事由の「いずれかに」該当すると見込まれる旨の宣誓で足りる)、病院の不在者投票管理者の職務代理者の要件の見直し(医師又は歯科医師以外の者も可)、国民投票の期日前2日以後に開票区を設けた場合の開票立会人の取扱い(第113条の2)などが定められます。
- 施行日:日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第73号)の施行の日(附則第1項)。同法律は令和8年10月31日に施行されます(e-Gov法令検索)。
- 適用区分:改正後の規定は、施行日以後に登録基準日がある国民投票について適用し、施行日前に登録基準日がある国民投票については、なお従前の例によります(附則第2項)。
- 実務上のポイント:改正国民投票法の施行に合わせた下位法令の整備です。国民投票の手続を行う選挙管理委員会の事務に関わる改正が中心です。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 2〜7頁、e-Gov法令検索 日本国憲法の改正手続に関する法律
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 日本国憲法の改正手続に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC1000000051
4. 政治資金規正法施行令・政党助成法施行令改正――収支報告書等の写しの電子交付と手数料(令和9年1月1日施行)
- 法令名:政治資金規正法施行令及び政党助成法施行令の一部を改正する政令(令和8年政令第338号)(政令)
- 区分と年月日:公布(令和8年10月30日)
- 概要:政治資金規正法第20条の2第2項の規定による収支報告閲覧対象文書の写しの交付について、文書で提出されたものと、電子情報処理組織を使用して提出された電磁的記録とに分けて交付の方法を定めます(政治資金規正法施行令第18条)。写しの交付を、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第7条第1項の規定により電子情報処理組織を使用して行う方法(電子請求の場合に限る。)も加わります。手数料(第19条第1項)は、用紙による交付が用紙1枚につき10円(両面に複写・出力された用紙は片面を1枚として算定)、文書で提出されたものの電子交付が収支報告閲覧対象文書1枚につき10円、電磁的記録で提出されたものの電子交付が1ファイルにつき210円などとされます。政党助成法施行令(第7条、第8条)でも、公表対象報告文書の写しの交付について同様の改正が行われます。
- 施行日:令和9年1月1日(附則第1項)
- 実務上のポイント:政治資金収支報告書等の写しを、オンラインで請求し電子的に受け取る方法が設けられます。電子交付が利用できるのは、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会がその保有する処理装置及びプログラムにより実施できる場合に限られます。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3頁・7〜8頁
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
5. 副首都法施行令を公布・即日施行――副首都の指定要件(地方支分部局14以上、人口割合1.2%以上等)を規定
- 法令名:国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律施行令(令和8年政令第342号)(政令)
- 区分と年月日:公布・施行(令和8年10月30日)
- 概要:国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律(令和8年法律第78号)第2条第3項の首都中枢機能代替地域の要件として、首都直下地震緊急対策区域と、東京圏の区域が含まれる火山に係る火山災害警戒地域の「いずれにも該当しない地域」であることを定めます(第1条)。副首都の指定の要件(法第18条第1項各号)として、①地方支分部局が「十四以上置かれている市町村」であること(第2条第1項)、②市町村の人口の全国人口に対する割合が「一・二パーセント以上」であり、かつ、過去3年間の道府県内総生産の国内総生産に対する割合の平均(各年度の割合を合算して得た割合の3分の1)が「二・一パーセント以上」である道府県の区域内にあること(同条第2項)、③大都市法による特別区の設置等、又は指定都市と道府県との連携協約の締結・内部組織の共同設置等の地方行政体制が整備されていること(同条第3項)を定めます。
- 施行日:公布の日(令和8年10月30日)(附則)
- 実務上のポイント:法律本体も令和8年10月30日に施行されています。副首都の指定は、道府県からの申出に基づいて行うものとされ、申出をしようとする道府県は、あらかじめ道府県議会の議決を経なければなりません(法第18条第2項)。
- 出典:官報 令和8年10月30日 号外第238号 3〜4頁・10頁、e-Gov法令検索 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律
官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
e-Gov法令検索 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/508AC1000000078
出典
- 官報 令和8年10月30日 号外第238号 全体目次 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030.fullcontents.html
- 官報 令和8年10月30日 号外第238号 https://www.kanpo.go.jp/20261030/20261030g00238/20261030g002380000f.html
- e-Gov法令検索 郵便法 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165
- e-Gov法令検索 民間事業者による信書の送達に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000099
- e-Gov法令検索 日本国憲法の改正手続に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC1000000051
- e-Gov法令検索 商業登記規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023
- e-Gov法令検索 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律 https://laws.e-gov.go.jp/law/508AC1000000078

