【法改正速報】第16次地方分権一括法が一部施行―空家等対策法・戸籍法・電波法など17法律を改正(2026年9月3日)

対象期間:2026年9月2日〜9月3日。報告件数1件(施行1件)、ほか参考2件。本日9月3日、第16次地方分権一括法(令和8年法律第27号)のうち公布から3月を経過した日に施行するとされた部分が施行され、空家等対策特措法・戸籍法・地方自治法・電波法など多数の法律の改正規定が動き出しました。インターネット関連法(個人情報保護法・著作権法・電気通信事業法・情報流通プラットフォーム対処法等)の新たな成立・公布・施行は確認されていません。

1.第16次地方分権一括法の一部が施行(2026年9月3日)

法律名:地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第16次地方分権一括法/令和8年法律第27号)
区分・年月日:施行(2026年9月3日)。公布は2026年6月3日。

改正の概要:地方からの提案等に対応し、11事項・17法律を一括して改正するものです。本日、そのうち「公布の日から起算して3月を経過した日」に施行するとされた部分が施行されました。e-Gov法令検索では同日付で、空家等対策の推進に関する特別措置法、戸籍法、地方自治法、電波法、公職選挙法、土地区画整理法、測量法、港湾法、地方独立行政法人法、公有地の拡大の推進に関する法律、地方住宅供給公社法、地方道路公社法、広域臨海環境整備センター法、入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律、介護保険法、児童福祉法、障害者総合支援法、電波法施行令が更新されています。

主な改正事項(内閣府公表の概要資料による)

  • 空家等対策特措法:空家等管理活用支援法人として指定できる法人の範囲に、商工会議所等の非営利法人を追加。
  • 地方自治法:外部監査人の補助者に係る住所の告示を廃止。財産区議会の設置条例について市区町村からの提案も可能に。
  • 電波法:伝搬障害防止区域図の備付け義務を廃止。
  • 公有地拡大推進法、地方住宅供給公社法、地方道路公社法等:解散時の公告回数を「3回以上」から「1回」に削減。

施行日:一部は2026年9月3日。ほかに2026年10月1日(土地区画整理法関係)、2026年12月3日(測量法関係)、2027年4月1日等の段階施行があります。e-Gov法令検索の沿革情報では、土地区画整理法が9月3日と10月1日の2段階施行であることを確認しました。

実務上のポイント:基本法である地方自治法・戸籍法・公職選挙法を含む広範な改正です。相続・不動産実務では、空家等管理活用支援法人の担い手が広がることが、所有者不明・管理不全空家への対応窓口の選択肢に影響し得ます。個人情報の保護の観点からは、外部監査人補助者の住所告示の廃止、土地区画整理組合の理事の住所公告範囲の限定(10月1日施行)が行われる点に留意が必要です。インターネット関連業務への直接の影響は乏しいと考えられます。

※各改正事項と施行期日の対応関係は内閣府の概要資料の記載に基づくものです。事項単位での原典(施行期日一覧)による個別確認は未了です。

出典:e-Gov法令検索 更新法令一覧空家等対策の推進に関する特別措置法電波法戸籍法地方自治法内閣府 累次にわたる地方分権一括法内閣府 第16次地方分権一括法の概要(PDF)

2.参考:2026年9月2日の動き

法律の成立・公布・施行は確認されませんでした。e-Gov法令検索の同日更新は、電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律施行令(昭和52年政令第220号)のほか、保険業法施行規則、医師法施行規則、歯科医師法施行規則、保健師助産師看護師法施行規則、薬剤師法施行規則、栄養士法施行規則の各省令にとどまり、弁護士業務上の重要性は低いと判断しました。

出典:e-Gov法令検索 更新法令一覧

3.参考:廃棄物処理法一部改正法は9月18日施行予定

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第43号、2026年6月19日公布)は、公布の日から起算して3月を経過した日である2026年9月18日に施行される予定です(e-Gov法令検索の地方自治法沿革情報で確認)。本日時点では未施行です。

出典:e-Gov法令検索 地方自治法

4.インターネット関連法の動き

対象期間中、個人情報保護法、著作権法、電気通信事業法、情報流通プラットフォーム対処法、特定商取引法、刑法のネット関連規定、AI関連法制について、成立・公布・施行の新たな動きは公的機関サイト上で確認されませんでした。個人情報保護委員会の報道発表資料は8月31日付が最新で、9月1日〜3日の掲載はありません。国会は閉会中のため、法律の新規成立はありません。

出典

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。