【判例速報】岐阜地裁・市議選立候補予定者による「迷惑料」名目の寄附と公職選挙法違反(2026年9月9日)

裁判所ウェブサイトの新着裁判例のうち、当サイトの過去の速報で未報告のものは1件です(インターネット関連分野に直接該当するものは0件)。

【注記】裁判所ウェブサイトには掲載日(公開日)が表示されないため、「昨日から本日に公開された分」を厳密に特定することはできません。そのため、裁判年月日ベースで直近の新着一覧(下級裁判所(速報)・新着統合・知的財産裁判例集の3本)を確認し、当サイトの既報分との重複を個別に除外しています。裁判年月日が直近2週間以内(令和8年8月26日以降)の掲載分は、いずれも既に報告済みでした。本件は裁判年月日が令和8年7月9日ですが、新たに掲載されたものと認められるため取り上げます。

1.岐阜地方裁判所 令和8年7月9日判決(令和8(わ)127・公職選挙法違反)

事案の概要

令和7年9月21日施行の本巣市議会議員選挙への立候補を決意していた被告人が、支援者6名と共謀のうえ、同年9月7日、選挙区内の28か所において28名に対し、「迷惑料」名目で菓子折合計28点(販売価格合計6万0070円)を供与し、当該選挙に関して寄附をしたという事案です。

判断の要旨

罰金40万円(罰金を完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間、労役場に留置)。適用法条は、公職選挙法199条の2第1項(公職の候補者等の寄附の禁止)および同法249条の2第1項(同違反の処罰)です。

量刑については、選挙の公正を害するおそれが大きい行為であることを指摘する一方、被告人に前科がないことを考慮しています。他方で、被告人が本件につき「悪いことをしたとは思わない」旨を明言し、反省の情が認められないことが指摘されています。
判決文によれば、公民権停止の規定は適用されていません。

実務上のポイント

  • 公職の候補者等による選挙区内の者に対する寄附の禁止(公選法199条の2)は、名目のいかんを問わず適用される。本件では「迷惑料」という名目であっても、選挙に関する寄附と評価されている
  • 1点あたりの単価が低い菓子折であっても、供与先が多数(28名)に及ぶ場合には、罰金40万円という相応の量刑がなされている
  • 公判における反省の有無が量刑に明確に反映されており、選挙違反事件の弁護方針を検討するうえで参考になる
  • インターネット選挙運動・SNSに関する判示は判決文に記載がなく、インターネット関連業務への直接の影響は認められない

出典:裁判例詳細判決文PDF

精査状況について

  • 本件は裁判例詳細ページの「判示事項の要旨」「裁判要旨」「参照法条」欄がいずれも空欄であり、本記事の要旨は判決文PDFの記載に拠っています。原典(courts.go.jp掲載のPDF)は確認済みです。
  • 下級裁判所(速報)一覧は先頭30件のみが静的に取得可能であり、31件目以降は本日の確認範囲に含まれていません。

出典

本記事は、裁判所ウェブサイト(courts.go.jp)掲載の以下の公式ページに基づいています。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。