【判例速報】発信者情報開示・札幌高裁サケ捕獲権(先住権)・最高裁損益相殺ほか(2026年7月28日)

裁判所ウェブサイトの新着裁判例を確認しました。裁判所サイトには掲載日(公開日)が表示されないため、裁判年月日ベースで直近の新着分を確認しています。本日の重要判例は4件(うちインターネット関連1件)です。各判例に出典(裁判所ウェブサイト)を付しています。

1. 発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え(インターネット関連)

  • 裁判所・年月日・事件番号:大阪地方裁判所 令和8年6月4日判決 令和7(ワ)11139
  • 権利種別:著作権/民事訴訟
  • 事案の概要:発信者情報開示命令(プロバイダ責任制限法=情報流通プラットフォーム対処法上の非訟手続)についての決定に対する異議の訴え。著作権侵害を理由とする開示の可否等が争われたものとみられる。
  • 判断の要旨:裁判所サイトの詳細ページに判示事項・裁判要旨の掲載がなく、結論・理由は判決全文PDFでのみ確認可能。要旨未確認(原典=判決全文PDF)。推測での補完はしていません。
  • 実務上のポイント:発信者情報開示命令に対する異議の訴えの新着裁判例。著作権侵害を理由とする開示事案として、開示要件の当てはめが参考になり得る。
  • 出典:裁判例詳細ページ全文PDF

2. サケ捕獲権確認請求控訴事件(先住権・憲法13条)

  • 裁判所・年月日・事件番号:札幌高等裁判所第3民事部 令和8年7月2日判決 令和6(行コ)9(原審:札幌地裁 令和2(行ウ)22、棄却)/結果:棄却
  • 事案の概要:浦幌町のアイヌで構成される団体が、浦幌十勝川河口から浦幌川合流地点の範囲で刺し網漁によりサケを捕獲する権利の確認、及び水産資源保護法28条が当該漁業に関し無効であることの確認等を求めた事案。
  • 判断の要旨:先住民族であるアイヌに憲法13条による文化享有権を認めたが、本件漁業権は財産権としての側面が強く立法府による制約を受け、憲法13条等では保障されないとして確認請求を棄却。無効確認・違法確認の訴えは確認の利益を欠く等として却下。
  • 実務上のポイント:先住民族の権利と憲法13条をめぐる注目の高裁判断。
  • 出典:裁判例詳細ページ全文PDF

3. 損害賠償、報酬支払請求事件(損益相殺と過失相殺の先後等)

  • 裁判所・年月日・事件番号:最高裁判所第三小法廷 令和8年7月7日判決 令和6(受)1694(原審:名古屋高裁 令和5(ネ)580、令和6年5月17日)
  • 判示事項(裁判所公表):①火災事故により修繕が不可能又は著しく困難となった施設を解体するために支出した費用について、当該火災事故と相当因果関係のある損害とはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例。②不法行為に基づき賠償すべき額を定めるに当たり、損益相殺として不法行為により支出した費用相当額から支出を免れた費用相当額を控除した後に、過失相殺をすべきであるとされた事例。
  • 実務上のポイント:不法行為の損害論(相当因果関係、損益相殺と過失相殺の先後関係)に関する最高裁判断。損害額算定の実務に影響し得る。裁判要旨欄は未掲載のため判示事項に基づく。
  • 出典:裁判例詳細ページ全文PDF

4. 性的姿態等撮影未遂被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件

  • 裁判所・年月日・事件番号:最高裁判所第二小法廷 令和8年7月10日判決 令和7(さ)1(原審:所沢簡易裁判所 略式命令 令和7年8月22日)/結果:その他
  • 判示事項(裁判所公表):刑訴法458条1号ただし書を適用すべきではないとされた事例。
  • 実務上のポイント:略式手続(非常上告)における刑訴法458条1号ただし書の適用に関する最高裁判断。撮影罪(性的姿態撮影処罰法)事件を契機とするが、判断の核心は刑事手続。裁判要旨欄は未掲載。
  • 出典:裁判例詳細ページ全文PDF

【参考】インターネット・著作権関連のその他の新着(知財高裁ほか、要旨未確認)

  • 知財高裁2部 令和8年7月8日 令和8(ネ)10015等 損害賠償控訴・同附帯控訴(写真・著作権、過失の有無/損害額) 詳細
  • 知財高裁2部 令和8年6月29日 令和8(ネ)10024 著作物無断使用禁止等控訴(小説・複製/翻案・著作者人格権) 詳細

注記・出典

  • 裁判所サイトは公開日を表示しないため、裁判年月日ベースで直近の新着分を確認しています。今後の掲載で直近日付の判例が追加される可能性があります。
  • 「要旨未確認」の判例は、裁判所詳細ページに判示事項・裁判要旨の掲載がなく、内容が全文PDFでのみ確認可能なものです。推測での補完はしていません。
  • 出典(裁判所ウェブサイト 裁判例検索):https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。