【判例速報】サケ捕獲権控訴審・先住権めぐる札幌高裁判断/一票の格差訴訟で高裁判決相次ぐ|2026年7月24日

本日の新着判例(主要2件、うちインターネット関連0件)をお知らせします。

※裁判所ウェブサイトには掲載日(公開日)が表示されないため、裁判年月日ベースで直近の新着分(「下級裁判所(速報)」新着一覧)を確認しています。
※インターネット関連(発信者情報開示、情報流通プラットフォーム対処法/プロバイダ責任制限法、名誉毀損・プライバシー侵害、著作権のネット上の侵害、個人情報等)の新着重要判例は、本日確認できた範囲では見当たりませんでした。
※最高裁判所・知的財産高等裁判所の「最近の裁判例」一覧は動的表示のため本日は自動取得できず未確認です。

1. サケ捕獲権(漁業権)確認等請求控訴事件(先住権に関する注目判断)

  • 裁判所:札幌高等裁判所 第3民事部
  • 裁判年月日:令和8年7月2日
  • 事件番号:令和6(行コ)9(原審:札幌地方裁判所 令和2(行ウ)22)
  • 結果:控訴棄却(一部の訴えは却下)

事案の概要:北海道浦幌町に居住するアイヌで構成される団体(権利能力なき社団)が、アイヌ集団固有の権利として浦幌十勝川でのサケ漁業権を有すると主張するとともに、内水面でのサケ採捕を原則として禁止する水産資源保護法28条が本件漁業に関する限り無効であると主張して、漁業権の確認および同条の無効確認を求めた事案。控訴審では、漁業をさせないことが違法であることの確認を予備的請求として追加した。

判断の要旨:控訴を棄却。無効確認の訴えおよび追加された違法確認の訴えは、より適切な訴え(漁業権確認の訴え)があること等から確認の利益を欠くとして却下した。アイヌの人々が憲法13条により文化享有権を有することは認めたが、本件漁業権は特定の河川で排他的にサケ漁を営む権利であり財産権としての側面が強いことから、文化享有権の一環としては保障されないと判断。自由権規約・社会権規約・人種差別撤廃条約・先住民族宣言はいずれも具体的な漁業権を付与するものではなく、水産資源保護法28条も違憲・無効ではないとした。

実務上のポイント:日本の裁判所における先住民族の資源(漁業)権をめぐる先例的な高裁判断。憲法13条の文化享有権や国際人権条約の国内適用に関する判示として参照価値がある。

出典:裁判例結果詳細(裁判所ウェブサイト)判決全文PDF

2. 令和8年の「1票の格差」選挙無効・人口比例選挙請求訴訟(各高裁/未精査)

令和8年6月5日から22日にかけて、複数の高等裁判所が令和8(行ケ)号の選挙無効請求・人口比例選挙請求を相次いで棄却しました(裁判所公表の一覧の「結果」欄はいずれも棄却)。高裁段階の判断が出そろいつつあり、今後の最高裁判断が注目されます。

※判示事項の要旨は一覧に未掲載で、判決文は未精査です。各判決の理由(合憲/違憲状態の別、対象選挙の種別等)は原典未確認のため、推測での補足は行っていません。

情報源:裁判所ウェブサイト 裁判例検索「下級裁判所(速報)」新着一覧

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。