【法改正速報】刑事訴訟法改正(再審請求手続の費用補償)が10月20日施行間近/道路運送車両の保安基準改正(眠気・脇見警報装置)も同日施行(2026年10月17日)
対象期間:2026年10月10日〜10月17日。報告件数2件(法律の施行間近1件、省令の施行間近1件)。いずれも令和8年10月20日に施行されます。第222回国会(臨時会、令和8年10月5日〜)では、参議院の議案情報(令和8年10月16日現在)で、内閣提出法律案17件はいずれも本会議の議決に至っていません。10月13日〜16日の官報に掲載された法律・政令・省令は、当サイトで既に報告済みです。
1. 刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和8年法律第67号)【法律・施行間近】
- 公布:令和8年7月24日。
- 施行(今回の対象部分):附則第1条第3号に掲げる規定(「第二条中刑事訴訟法第百八十八条の二、第百八十八条の三、第百八十八条の六及び第百八十八条の七の改正規定並びに附則第七条の規定」)は、令和8年10月20日に施行されます(刑事訴訟法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令〔令和8年政令第322号、令和8年10月9日公布〕:「刑事訴訟法の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行期日は、令和八年十月二十日とする。」)。
- 段階施行:法律の本体部分の施行日は、附則第1条本文で「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。この施行期日を定める政令は、本記事の作成時点で確認できていません。附則第1条第1号(附則第3条・第15条・第16条)は公布の日、同条第2号(第一条の規定並びに附則第五条及び第六条の規定)は「公布の日から起算して二十日を経過した日」に施行されています。
- 改正の概要(10月20日施行分):第188条の2に第2項を新設し、「前項に定めるもののほか、再審開始の決定が確定した事件について、無罪の判決が確定したときは、国は、当該再審開始の決定に係る再審の請求をした者(検察官を除く。以下この章において「開始決定再審請求者」という。)に対し、その再審の請求の手続に要した費用の補償をする。」と定めます。ただし書で「開始決定再審請求者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。」とされています。
- 補償の制限(改正後第188条の2第3項):被告人であった者又は開始決定再審請求者が、捜査又は審判を誤らせる目的で「虚偽の自白若しくは供述をし、又は他の有罪の証拠を作ることにより、被告人であつた者が公訴の提起を受けるに至つたものと認められるとき」は、「前二項の補償の全部又は一部をしないことができる」とされます。
- 手続(改正後第188条の3):第188条の2第2項の補償は、開始決定再審請求者の請求により、無罪の判決をした裁判所が決定で行います。請求は「無罪の判決が確定した後六月以内」にしなければならず、補償に関する決定に対しては即時抗告ができます。
- 補償される費用の範囲(改正後第188条の6第1項第2号):「開始決定再審請求者又はその弁護人であつた者が同項の再審の請求に係る審判の手続に出頭するに要した旅費、日当及び宿泊料並びに弁護人であつた者に対する報酬」に限られます。額は刑事訴訟費用等に関する法律の規定(開始決定再審請求者は証人、弁護人であった者は弁護人に関する規定)を準用します。出頭した弁護人が2人以上の場合に、旅費・日当・宿泊料を主任弁護人その他一部の弁護人に係るものに限ることができる規定(同条第2項)も、再審請求の審判の手続に広げられます。
- 相続人への補償等(改正後第188条の7):補償の手続や開始決定再審請求者の相続人に対する補償などは、この法律に特別の定めがある場合のほか、刑事補償法第1条に規定する補償の例によります。
- 経過措置(附則第7条):改正後の第188条の2第2項・第3項は、再審開始の決定が確定した事件について10月20日以後に無罪の判決が確定した場合における、再審の請求の手続に要した費用であって「同日前に生じたもの」についても適用されます。
- 実務上のポイント:再審開始決定を経て無罪が確定した場合、再審請求の段階の旅費・日当・宿泊料と弁護人報酬についても、無罪判決の確定後6月以内に、無罪の判決をした裁判所に補償を請求できるようになります。10月20日より前に生じた費用も、無罪判決の確定が同日以後であれば対象です。
- 出典:e-Gov法令検索(刑事訴訟法) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 / 官報 令和8年10月9日号外第223号2頁 https://www.kanpo.go.jp/20261009/20261009g00223/20261009g002230002f.html / 内閣法制局「令和8年1月1日から現在までに公布された法律」 https://www.clb.go.jp/recent-laws/promulgation_law/id=5122
2. 道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令(令和8年国土交通省令第80号)【省令・施行間近】
- 公布:令和8年9月30日(官報号外第215号)。附則第1条本文により公布の日から施行されていますが、同条ただし書の各号に掲げる規定は令和8年10月20日に施行されます。10月20日施行分は、第1条中道路運送車両の保安基準第43条の11及び第43条の12の改正規定(第1号)、第2条(道路運送車両法施行規則の一部改正)の規定(第2号)、第3条中装置型式指定規則の一部の改正規定(第3号)、第4条(道路運送車両法関係手数料規則の一部改正)の規定(第4号)です。
- 眠気警報装置(新設の第43条の11):自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、最高速度七十キロメートル毎時以下の自動車並びに被牽引自動車を除く。)には、「運転に支障を及ぼすおそれのある運転者の眠気を検知し、その旨を当該運転者に対し警報するもの」として、告示で定める基準に適合する眠気警報装置を備えなければならないとされます。
- 脇見警報装置(新設の第43条の12):自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、最高速度二十キロメートル毎時未満の自動車並びに被牽引自動車を除く。)には、運転者の脇見(「進行方向以外に視線を向けている状態であって、運転に支障を及ぼすおそれのあるもの」)を検知して警報する、告示で定める基準に適合する脇見警報装置を備えなければならないとされます。
- 適用時期:同日公布の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示」(令和8年国土交通省告示第1179号)第3条により、「道路運送車両の保安基準第二章及び第三章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示」に第51条の7・第51条の8が加えられ(令和8年10月20日施行)、次の自動車には第43条の11・第43条の12は適用されません。①「令和十三年八月三十一日以前に製作された自動車」、②令和13年9月1日から令和15年8月31日までに製作された自動車のうち、令和13年8月31日以前に指定を受けた型式指定自動車など同条に掲げるもの、③令和15年8月31日以前に発行された出荷検査証に係る自動車で、発行後11月を経過しない間に新規検査又は予備検査を受けようとし、又は受けたもの。また、「指定自動車等以外の自動車については、当分の間」適用されません。
- 技術基準:同告示第1条により、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示に眠気警報装置・脇見警報装置の基準(別添134「眠気警報装置の技術基準」、別添135「脇見警報装置の技術基準」等)が加えられます。
- 実務上のポイント:10月20日から規定は施行されますが、上記の適用関係により、令和13年8月31日以前に製作された自動車には適用されず、既に使用されている自動車に直ちに装備を求めるものではありません。自動車の製造・輸入・販売に関わる事業者は、型式指定や検査の時期と合わせて確認が必要です。
- 出典:官報 令和8年9月30日号外第215号270頁 https://www.kanpo.go.jp/20260930/20260930g00215/20260930g002150270f.html / 同361頁(国土交通省告示第1179号) https://www.kanpo.go.jp/20260930/20260930g00215/20260930g002150361f.html / e-Gov法令検索(道路運送車両の保安基準) https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
出典
- e-Gov法令検索 刑事訴訟法 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
- e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準 https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800067
- 官報 令和8年10月9日号外第223号 https://www.kanpo.go.jp/20261009/20261009g00223/20261009g002230002f.html
- 官報 令和8年9月30日号外第215号 https://www.kanpo.go.jp/20260930/20260930g00215/20260930g002150270f.html
- 内閣法制局「令和8年1月1日から現在までに公布された法律」 https://www.clb.go.jp/recent-laws/promulgation_law/id=5122
- 参議院「第222回国会議案情報」 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/222/gian.htm

