【法改正速報】外為法改正(対内直接投資審査の高度化)・経済安全保障推進法改正・金融商品取引法改正の施行期日政令を閣議決定(2026年9月11日)

対象期間:2026年9月10日〜9月12日。報告件数4件(いずれも「施行期日を定める政令」の閣議決定)、ほか参考2件。

対象期間中、法律の新たな成立・公布・施行は確認されていません。2026年9月11日(金)の定例閣議で政令20件が決定され、そのうち6件が施行期日を定める政令です。以下、弁護士業務上重要なものを掲げます。
なお、各政令の具体的な施行日・政令番号は、インターネット版官報の該当ページを取得できなかったため原典未確認です(令和8年9月11日付官報号外第203号に掲載の可能性がありますが未確認)。

1 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令/関係政令の整備等に関する政令

  • 区分:施行期日政令の閣議決定(2026年9月11日)
  • 親法:外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律。財務省の公表によれば令和8年6月5日公布(法律番号は原典未確認)
  • 改正の概要:対内直接投資審査制度の高度化。①リスク軽減措置の届出事項化、②間接的な株式取得行為の規制対象への追加、③高リスク非居住者による投資の事前届出対象化、④非指定業種への投資に関する対応措置の新設、⑤安全保障上の必要に応じた関係機関への意見照会の義務付け
  • 施行日:政令で定める日。具体的な日は原典未確認

実務上のポイント:対内直接投資の事前届出制度は、指定業種にソフトウェア・情報処理・サイバーセキュリティ等が含まれるため、IT・インターネット関連企業への外資出資、海外VCからの資金調達、クロスボーダーM&Aのスキーム設計に直結します。間接取得が規制対象に加わることで、SPCや持株会社を介した投資も届出要否の検討対象となり得ます。施行日確定後の適用関係(既存投資の取扱い)は要確認です。

出典:財務省「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律」について首相官邸「令和8年9月11日(金)定例閣議案件」

2 経済安全保障推進法及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令

  • 区分:施行期日政令の閣議決定(2026年9月11日)
  • 親法:正式名称「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律」。内閣府の公表によれば令和8年6月10日成立・同年6月17日公布(法律番号は原典未確認)
  • 改正の概要:経済安全保障推進法の既存制度の見直しに加え、経済安保海外事業促進制度(OESA)を創設し、経済安全保障施策全体を推進するため官民協議会を組織するもの
  • 施行日:政令で定める日。具体的な日は原典未確認

実務上のポイント:基幹インフラ制度の「特定社会基盤役務」には電気通信が含まれ、電気通信事業者・クラウド事業者等の重要設備の導入・維持管理の委託に係る事前届出審査に関わります。同じ9月11日の閣議では、「特定妨害行為の防止による特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する基本指針の一部変更」「特定重要物資の安定的な供給の確保に関する基本指針の一部変更」「特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用に関する基本指針の一部変更」「特定海外事業の促進に関する基本指針」なども決定されており、基本指針レベルの運用変更が同時に進んでいます。

出典:内閣府「経済安全保障推進法」首相官邸「令和8年9月11日(金)定例閣議案件」

3 金融商品取引法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令

  • 区分:施行期日政令の閣議決定(2026年9月11日)
  • 親法:「金融商品取引法等の一部を改正する法律」。どの年次の改正法かを含め、法律番号・公布日は原典未確認
  • 改正の概要:親法の内容は原典未確認のため記載しません(推測による補完は行いません)
  • 施行日:政令で定める日。具体的な日は原典未確認

実務上のポイント:令和8年には暗号資産規制を金融商品取引法へ移管する法改正(令和8年法律第64号)があり、その一部は令和8年8月12日に施行済みです。本政令が同法に係るものか否かは原典未確認であり、確認でき次第の続報とします。暗号資産交換業・トークン関連の案件では施行日の確定が適用時期の判断に直結するため、官報での政令本文の確認を推奨します。

出典:首相官邸「令和8年9月11日(金)定例閣議案件」インターネット版官報

4 社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令

  • 区分:施行期日政令の閣議決定(2026年9月11日)
  • 親法:正式名称「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」。第212回国会で成立し、令和5年11月29日公布(衆議院の制定法律ページで確認。法律番号は原典未確認)
  • 改正の概要:条文レベルの内容は原典未確認のため記載しません
  • 施行日:政令で定める日。具体的な日は原典未確認

実務上のポイント:振替社債・振替株式の振替制度に関する法律であり、株主名簿・株主総会実務、社債管理、株式事務のデジタル化に関係します。段階施行のうち残部の施行日が今回定められたものとみられますが、対象条項は未確認です。

出典:衆議院「制定法律情報」首相官邸「令和8年9月11日(金)定例閣議案件」

参考1 同日閣議決定のその他の政令

  • 建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令/同法施行令の一部を改正する政令
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令/同法施行令の一部を改正する政令
  • ほか、皇統譜令、住民基本台帳法施行令、日本学術会議法関係政令(日本学術会議評価委員会令を含む)、内閣府本府組織令、株式会社国際協力銀行法施行令、お年玉付郵便葉書等に関する法律施行令、国会議員互助年金法施行令、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令、建築基準法施行令、防衛省組織令の各一部改正政令

出典:首相官邸「令和8年9月11日(金)定例閣議案件」

参考2 インターネット関連法の動き

  • 対象期間中、個人情報保護法、著作権法、電気通信事業法、情報流通プラットフォーム対処法(プロバイダ責任制限法)、特定商取引法、刑法のネット関連規定、AI関連法制について、法律の新たな成立・公布・施行は確認されていません
  • 個人情報保護委員会の新着情報は令和8年9月9日(第368回委員会、改正個人情報保護法の政令・規則・ガイドライン等の整備に関する今後の進め方)が最新で、対象期間中の更新はありません(既報)
  • 総務省は令和8年9月11日付でパブリックコメント関係とみられる公表を行っていますが、同省サイトの当該一覧ページが文字化けのため内容を正確に判読できず原典未確認です

出典:個人情報保護委員会総務省 報道資料一覧

出典

※本稿は公的機関の公式サイトで確認できた事実のみを記載しています。官報(令和8年9月11日付本紙第1788号・号外第203号、9月10日付特別号外第49号)の本文は、robots.txtによりページ取得ができず内容未確認です。政令番号・施行日等の確定情報は官報本文をご確認ください。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。