【法改正速報】電気通信事業法施行規則等改正(モバイル網固定電話を第一号基礎的電気通信役務に追加)が公布・11月1日施行/雇用保険法施行規則改正(令和8年熊本地震の出向支援)を公布・即日施行(2026年10月22日)

対象期間:2026年10月15日〜10月22日。報告件数3件(いずれも省令の公布)。令和8年10月22日の官報で、電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第120号)が公布されました。電気通信事業法施行規則第14条に第5号を新設し、「モバイル網固定電話」を第一号基礎的電気通信役務に加えるもので、令和8年11月1日から施行されます。同日、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第149号)が公布・施行され、「令和八年熊本地震災害特例人材確保支援コース奨励金」が設けられました。ほか、令和8年10月21日公布の地方税法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第119号)も取り上げます。

1. 電気通信事業法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第120号)【省令・公布】

  • 公布:令和8年10月22日(官報号外第232号)。
  • 施行日:「令和八年十一月一日」(附則第1条)。
  • 根拠:電気通信事業法第7条第1号、第10条第1項第3号イ、第41条第1項から第3項まで及び第5項、第42条第3項(同条第4項から第6項までにおいて準用する場合を含む。)並びに第176条の2並びに日本電信電話株式会社等に関する法律第2条第5項ただし書の規定に基づく省令です。
  • 改正の概要(第1条・電気通信事業法施行規則):第一号基礎的電気通信役務の範囲を定める第14条に第5号を新設し、「モバイル網固定電話」(インターネットプロトコル電話用設備及び携帯電話用設備を用いて提供する音声伝送役務(携帯電話用設備である端末系伝送路設備の一端を特定の場所に設置される利用者の端末設備又は自営電気通信設備に接続して提供するものに限る。)であつて、次のイ及びロのいずれもが含まれるものをいう。)であって、次のイ及びロに掲げるものを加えます。イは、携帯電話用設備である端末系伝送路設備のみを用いて提供される電気通信役務のうち、住宅用は月額住宅用基本料金の最高額を超えない額で、住宅用以外は第一種適格電気通信事業者が提供する第14条第1号イに掲げる電気通信役務のうち事務用として提供されるものの基本料金の最高額を超えない額で提供されるものです。ロは、携帯電話用設備に係る緊急通報(警察機関、海上保安機関又は消防機関への緊急通報に係るもの(イに掲げるものを除く。)に限る。)です。あわせて、提供方法等の報告(第14条の2)の対象が「第三号から第五号まで」に改められます。
  • 関連する改正:第2条で日本電信電話株式会社等に関する法律施行規則第2条の2を改め、ワイヤレス固定電話役務とモバイル網固定電話役務を「ワイヤレス固定電話役務等」として、他の電気通信事業者の電気通信設備を利用して提供する場合の方針の要件(光提供区域以外の区域において提供することを基本とすること等)の対象とします。第3条で事業用電気通信設備規則に「第五款 モバイル網固定電話用設備(第三十五条の二十四―第三十五条の二十七)」を設け、第4条で電気通信事業報告規則に、モバイル網固定電話を提供する電気通信事業者の様式第五の三による報告を加えます。
  • 経過措置:施行の際現にモバイル網固定電話を提供する者は、「施行日から三月以内に」、新施行規則第7条第2項の届出書及び第8条第1項の届出書を提出しなければなりません(附則第4条)。契約約款の届出(電気通信事業法第19条第1項)や電気通信設備の自己確認の結果の届出(同法第42条第3項)は、施行日前においても行うことができます(附則第2条・第3条)。
  • 同日公布の告示:電気通信番号計画の一部を変更する件(令和8年総務省告示第386号)で「モバイル網固定電話」の定義が加えられ、事業用電気通信設備規則の細目を定める件の一部を改正する件(同第387号)でモバイル網固定電話用設備に接続する端末設備等相互間の総合品質の基準(ITU-T P.863勧告におけるPOLQA値を3.1を超える値とし、G.114勧告における平均遅延の値を400ミリ秒未満とするもの、又はPOLQA値を3.6を超える値とし、平均遅延の値を500ミリ秒未満とするもの。ただし、これらの値を算出できる確率が0.95以上でなければならない)が定められました。いずれも「令和八年十一月一日」から施行されます。
  • 実務上のポイント:携帯電話網を用いて固定電話型の音声サービスを提供する電気通信事業者は、11月1日の施行に向けて、契約約款・自己確認・報告等の手続の確認が必要です。第一号基礎的電気通信役務の範囲が広がる改正であり、通信関連の契約・規制対応の相談で参照される場面があり得ます。
  • 出典:官報 令和8年10月22日号外第232号3頁 https://www.kanpo.go.jp/20261022/20261022g00232/20261022g002320003f.html / 同13頁(附則) https://www.kanpo.go.jp/20261022/20261022g00232/20261022g002320013f.html / 同14頁・22頁(告示第386号・第387号) https://www.kanpo.go.jp/20261022/20261022g00232/20261022g002320014f.html

2. 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第149号)【省令・公布・施行】

  • 公布:令和8年10月22日(官報本紙第1813号)。
  • 施行日:「公布の日から施行し、この省令による改正後の雇用保険法施行規則附則第十五条の四の六の規定は、令和八年十月一日以降の出向について適用する。」(附則)。
  • 改正の概要:附則第15条の4の6を新設し、産業雇用安定助成金として、当分の間、「令和八年熊本地震災害特例人材確保支援コース奨励金」を支給します。対象は、令和8年熊本地震に際し熊本県内に所在する事業所の事業主のうち、当該地震に伴う経済上の理由により急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主(出向元事業主)で、出向期間の初日が令和8年10月1日から令和9年9月30日までの間にあり、期間が1箇月以上で、出向をした日から起算して1年を経過する日までの間に終了し出向元の事業所に復帰する出向などの要件(出向をした者の同意、労働組合等との書面による協定、出向計画に基づくこと等)を満たす出向をさせたもの、及びその出向先事業主です。
  • 支給額:出向元事業主・出向先事業主がそれぞれ令和9年9月30日までの出向期間の賃金について負担した額の「三分の二(中小企業事業主にあつては、五分の四)」。負担額の合計額が出向前の通常賃金に支給対象期間の日数を乗じて得た額を超える場合や、基本手当日額の最高額に基づく額を超える場合の調整があります(同条第3項・第4項)。出向先事業主への支給は、1の事業所につき1の年度において、出向先事業所被保険者の数が10人未満の場合は10人、10人以上500人未満の場合はその数、500人以上の場合は500人までです(同条第5項)。
  • 実務上のポイント:熊本県内の事業所で地震による事業縮小に直面した事業主の雇用維持の手段として、10月1日以降の出向に遡って適用されます。
  • 出典:官報 令和8年10月22日本紙第1813号2頁 https://www.kanpo.go.jp/20261022/20261022h01813/20261022h018130002f.html / 同4頁(附則) https://www.kanpo.go.jp/20261022/20261022h01813/20261022h018130004f.html

3. 地方税法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年総務省令第119号)【省令・公布・施行】

  • 公布:令和8年10月21日(官報号外第231号)。
  • 施行日:「この省令は公布の日から施行する。ただし、第二条及び第三条の規定は、令和九年四月一日から施行する。」(附則第1項)。
  • 改正の概要:森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律施行規則第3条(法第28条第1項及び第29条の人口)と、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律施行規則第1条(法第30条第1項第2号の人口)で、基準となる国勢調査の人口の確定数を「令和二年十月一日」現在から「令和七年十月一日」現在に改めます(第4条・第5条。公布日施行)。森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律施行規則附則第5条の福島県双葉郡楢葉町等に係る人口の特例の基準日も「令和二年九月三十日」から「令和七年九月三十日」に改められます。第1条(地方税法施行規則)でも、第7条の2の11(政令第35条の20第1項第2号の人口)と第7条の2の14(法第72条の115第1項の人口)の基準を「令和二年十月一日」現在から「令和七年十月一日」現在の人口の確定数に改め、附則第3条の2の4の基準日を「令和七年九月三十日」に改めるなどしています(公布日施行。第7条の2の14の適用について附則第2項に経過措置があります)。第2条(地方揮発油譲与税法施行規則)・第3条(自動車重量譲与税法施行規則)は、各附則第5項の福島県双葉郡楢葉町等に係る人口の特例の基準日を令和7年9月30日に改めるもので、令和9年4月1日施行です。
  • 実務上のポイント:各規則で用いる人口の基準を令和7年国勢調査の結果に切り替える改正で、地方公共団体の財政事務に関わります。
  • 出典:官報 令和8年10月21日号外第231号4頁 https://www.kanpo.go.jp/20261021/20261021g00231/20261021g002310004f.html / 同9頁(附則) https://www.kanpo.go.jp/20261021/20261021g00231/20261021g002310009f.html

出典

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。