都市経済シミュレーター・総合版(輸入代替・サービス輸出)
市民の支持率
経済指標
人口ピラミッド
このゲームの目的
市長(あなた)の仕事は金利・税率・財政支出の操作だけ。
インフレ2%前後・低失業・成長を実現して支持率を保ってください。
4年ごとの選挙で支持率42%未満なら落選(ゲームオーバー)です。
そして本作の主役は人口構造。若い都市は「人口ボーナス」で伸びますが、放置すれば少子高齢化で労働力が縮み、社会保障費が財政を蝕みます。子育て支援は効くまで15年かかります——今日から手を打てるかが勝負です。
GDPの内訳(総需要の構成)
歳入の内訳(税収と交付金)
ニュース
金融政策
税制
財政支出(0〜10の10段階・5が標準・月額は規模に応じ増加)
都市マップ
推移グラフ(過去20年)
政策の波及経路(このゲームの根拠)
人口動態(コーホート・モデル):人口を5歳刻み18階級で管理し、毎月、出生・加齢・死亡・移動を計算します。出生数は20〜39歳女性の人数×合計特殊出生率(TFR)で決まり、TFRは子育て支援・都市の魅力・雇用の安定・住宅事情に反応します。人口流入は20〜39歳とその子どもが中心(現実の地方移住の年齢構成と同様)です。
人口ボーナス/オーナス:生産年齢人口(15-64)の比率が高い時期は、労働力が豊富で扶養負担(従属人口指数)が軽く、貯蓄・投資が活発になります(ブルーム=ウィリアムソンの人口ボーナス論)。逆に高齢化が進むと、労働力の縮小で潜在GDPが下がり、社会保障費(高齢者医療・介護)が財政を圧迫します。
子育て支援:出生率を押し上げますが、生まれた子が働き手になるのは15〜20年後。効果が遅い一方、着手が遅れるほど取り返しがつかない――人口政策の本質的なタイムラグを体験できます。
金利(金融政策):実質金利が下がると投資・消費・民間建設が増えます(IS関係)。低実質金利の放置は資産バブルを生みます。
為替レート(マンデル=フレミング・モデル):政策金利が世界金利より高いと通貨高→輸出減・輸入物価安。利下げは逆。金融政策は「金利」と「為替」の2経路で効きます。
中央銀行の信認(期待の錨):インフレが目標2%近くにあると期待が錨付けされます。高インフレの放置は「脱錨」を招き、退治に大きな犠牲が必要になります。
税制:所得税は消費を、法人税は投資を抑制。消費税は安定財源ですが消費と支持率を直撃します。
地方交付金(財政調整):地方交付税(地方交付税法10条・11条)を模し、「基準財政需要額(人口と高齢者数で増加)−税収の75%」の不足分を自動交付。税収が上回れば不交付団体になります。
債務とインフレ:インフレは実質債務を目減りさせ、デフレは重くします(フィッシャーの負債デフレ論)。債務比率と信認低下でリスクプレミアムが上乗せ。
失業の履歴効果:高失業の長期化は労働参加率を下げ、潜在GDPを毀損します。失業給付が自動安定化装置として働きます。
成熟経済モード(外需の現実化):通常モードの外需は年約4%で外生的に成長しますが(高度成長期の水準)、成熟経済では年1%前後を基調に、①世界景気に連動し、②教育投資による競争力で上乗せでき、③まれに「主力工場の撤退」(外需−25%)や「企業誘致の成功」(+12%、教育水準が高く法人税が低いほど起きやすい)が発生します。低成長下では税収が伸びず、金利が成長率を上回れば債務比率は自然に膨張します(ドーマー条件)。
選挙:支持率はインフレ・失業・成長・税負担・魅力・債務で決まり、「前回からの改善」も評価されます(経済投票理論)。
シルバーデモクラシー(世代別支持率):支持率は現役世代と高齢世代に分かれ、選挙は投票率で重み付けされます(現役55%・高齢78%と仮定)。高齢化が進むほど高齢者向け政策が票に直結し、子育て支援など将来投資が政治的に難しくなる構造(経済投票+投票率格差)を再現しています。年金・高齢者給付レバーは高齢世代の支持と財政負担のトレードオフです。
雇用の質(非正規比率):不況が長引くと雇用が非正規化し、収入の不安定さが未婚化を通じて出生率を下げ、予備的貯蓄で消費も抑えます。失業率が低くても少子化が進む日本型のメカニズムです。労働参加促進(保育・定年延長)は労働力の天井を引き上げ、外国人受け入れは即効的に人口を増やしますが、社会的合意のコストとして支持率を下げます。
銀行部門と信用循環:バブル崩壊は銀行の自己資本を毀損し、貸し渋り(信用収縮)が投資と民間建設を長く抑えます(金融アクセラレーター、平成金融危機の教訓)。
信用主導のバブルと融資規制(本版の変更点):バブルの燃料は「実質金利そのもの」ではなく信用(融資)の膨張と地価の勢いです。物価が安定して金利が正当に低くても、信用が伸び続ければバブルは育ちます——1980年代日本(消費者物価0〜1%のまま地価3倍)の再現です(ボリオ=ロウのBIS研究)。対抗手段は融資規制(マクロプルーデンス):バブルの芽を摘みますが投資も少し冷やします。「金利で牽制するか、規制で抑えるか」という現実の中央銀行の論争を体験してください。技術革新で物価が下がり、ルールどおり利下げした先に信用が膨らむ——という展開にご注意を。
量的緩和(QE):ゼロ金利到達後の追加緩和。円安と投資刺激・期待インフレの押し上げに働く一方、バブルを育てやすく、債務が大きい状態で続けると財政ファイナンス懸念から信認が低下します。
制度モード(中央銀行の独立性):現実準拠を選ぶと、金利は日銀(テイラー・ルール)が決定し、市長は「圧力」しかかけられません(日銀法3条の自主性尊重)。圧力は一時的に金利経路を歪めますが、信認を確実に損ないます——短期の得と長期の損の交換(時間非整合性)を体験してください。
インフラ老朽化・災害:インフラは時間とともに老朽化し維持費が膨張します(公共投資で更新可能)。まれに地震・水害が発生し、防災投資の水準で被害が大きく変わります。復興需要で投資は一時増えますが、失われたストックは戻りません。
観光と交易条件:円安はインバウンド観光収入を押し上げる「第2の外需」。資源価格の変動は輸入物価と実質所得を通じて経済を揺らします(交易条件)。
支出レバーの単価(本版の細分化):各支出は0〜10の10段階で、5が標準的な水準です。1段階の増減は人口11万人の都市で年40〜70億円(市民1人あたり約4〜6万円)に相当し、給食費・医療費の無償化のような大型事業パッケージ1本分の規模です。支出額あたりの効果は従来版と同じに換算してあるため、細かい財源のやりくりが可能になっています。
自然利子率(r*)と長期停滞(本版の追加):金融政策の「中立点」は固定の2%ではなく、潜在成長率と人口構造で決まる自然利子率r*です。高齢化と低成長でr*が沈むと、同じ政策金利でも引き締め度が増し、ゼロ金利制約に頻繁にぶつかります——日本の金融政策がゼロ近傍に張り付く構造的な理由です(長期停滞論)。テイラールールと投資・消費・信用の中立点はすべてr*連動に変更されています。
実質賃金と分配(本版の追加):名目賃金は物価に遅れて動くため(粘着賃金)、急なインフレは実質賃金を目減りさせ、現役世代の支持を直撃します。またジニ係数で格差を可視化——非正規化・失業・資産バブルが格差を広げ、再分配が縮めます。0.40超は社会の不満として支持率に跳ねます。マクロの「平均」の裏にある分配の問題を体験してください。
市債格付け(本版の追加):債務比率と信認から市債をAAA〜CCCで格付けし、変動時にはニュースが流れます。現実のソブリン格付けの簡略版です。
国民経済計算(SNA)の諸指標(本版の追加・表示専用):GDP(域内でどれだけ生産したか)から固定資本減耗を引くとNDP(純生産)、海外からの純所得を足すとGNI(総所得)、両方を反映するとNNI(純所得)です。減耗はインフラ老朽化と連動し、対外純所得は経常収支の累積(対外純資産)の運用益から市債利払いを引いたもの。この版では対外純資産の運用益(の9割)が家計所得へ還流して消費を支えます——貿易で稼ぐ段階を卒業し「所得で稼ぐ」成熟した債権都市の構造が、実体経済として機能します。消費が増えれば輸入も増えて経常黒字が細る、という自己安定的なフィードバックも働きます。
実質賃金の消費への還流(本版の変更点):名目賃金は物価に遅れて動くため、インフレの急騰期には実質賃金が目減りします。この版ではその目減り分が家計所得を実際に削り(裏側では企業利益が膨らむ=労働分配率の循環変動)、消費を冷やします。2022〜23年の日本で起きた「物価高なのに消費が伸びない」構造の再現で、インフレが自ら需要を冷やす自己安定化の経路でもあります。輸入資源高による実質所得の目減り(交易条件)は別途計上済みで、二重計上にならないよう賃金側は「国内の賃金・物価の追いかけっこ」だけを反映します。
数値ルールの開示(隠し仕様なし):①手元資金が3,000億円を超えると市債を自動繰上返済。②選挙は「支持率+改善評価(前回選挙比:インフレ改善×1.2+失業改善×0.8)」が42%以上で当選(見込みは支持率欄に常時表示)。③QEは政策金利1%以下で発動可、1%超で自動終了。④災害は毎月0.4%の確率で発生し、防災投資が被害を軽減。⑤バブルはバブル度120超で毎月2.8%の崩壊リスク、実質金利3%超で即崩壊。⑥企業誘致(成熟経済)は教育Lv8以上・法人税20%以下で確率上昇。⑦格付けは債務GDP比0.6/0.9/1.2/1.6/2.2/2.8を閾値にAAA→CCC、信認50%未満で1ノッチ悪化。⑧240ヶ月(20年)で任期満了の総合採点(S〜D)。⑨シナリオ選択画面で「ゲームオーバーなし」を選ぶと、落選・財政破綻の際も採点画面を表示したうえで続投できます(選挙・採点そのものは通常どおり行われます)。
市民の幸福度と市民の声(本版の追加):幸福度はOECDのBetter Life Indexや世界幸福度報告の知見に基づく合成指数で、所得の効果は逓減し(豊かになるほど1万円の重みは減る)、水準より「変化」に敏感で、悪化には特に厳しく反応します(損失回避)。GDP・支持率と幸福度がずれる局面——成長しても幸せでない街、選挙は勝てるが市民は疲れている街——を観察してください。また5ヶ月に一度、市民の肉声がニュースに流れます。同じ経済でも立場(商店主・若者・年金生活者・子育て世帯)によって感じ方が違うことに注目を。
貿易の精緻化(本版の変更点):①輸入を「消費由来16%・投資由来24%・輸出用原材料10%・必需(資源食料)」に分解(産業連関表の輸入誘発の考え方)。投資ブームは意外と海外に漏れ、輸出の儲けも仕入れ分だけ目減りします。②必需輸入は量を減らせず、資源価格と通貨安で金額だけ膨らむ——資源高だけで貿易赤字に転落した2022年の日本型が再現されます。③輸出数量が反応するのは6〜18ヶ月前の為替(Jカーブ効果)。通貨安に振った直後は輸入代金が先に膨らんで収支が悪化し、輸出数量の改善は1年前後遅れて到来します(マーシャル=ラーナー条件)。「円安にしたのに貿易収支が良くならない」と焦らないこと。
輸入代替と輸出の部門複線化(本版の変更点):①通貨安が続くと消費者が輸入品から国産品へ乗り換え、消費の輸入率が16%基準で13〜20%の間を変動します(支出転換効果。乗り換えには6〜18ヶ月かかる)。必需輸入は代替できないため、通貨安が「効く」都市になるかは産業構造次第です。②輸出は「財(価格・為替・Jカーブに敏感)」「サービス・コンテンツ(教育=人的資本に感応、為替に鈍感、外需は年6%成長)」「観光(円安と魅力に即応)」の3部門に。製造業が衰えても教育でサービス輸出国へ転換する道があります。
※ 単純化した教材的モデルであり、現実の経済・人口予測には使えません。年金・高齢者医療は本来国の制度ですが、市の負担分として簡略化しています。
本作の絵文字アイコンは Twemoji(© Twitter, Inc and other contributors / Twemoji project contributors)を使用しています。画像は CC-BY 4.0 ライセンス(改変:サイズ調整・埋め込みのみ)。出典: github.com/jdecked/twemoji
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最初は金利だけ。2年ごとに税制→財政支出→人口政策→金融の応用と段階的に解放され、ガイドが操縦を教えます。初めての方はここから。
標準(若い都市)
20〜30代が厚い「人口ボーナス」期の都市。今は伸び盛りだが、少子化を放置すれば20年後に高齢化の波が来る。
少子高齢化都市
高齢化率24%・出生率1.3。労働力は縮み、社会保障費が財政を圧迫。子育て支援か、移住促進か、生産性か——日本の縮図に挑め。
成熟経済
外需の伸びは年1%前後で世界景気に連動。成長が当たり前でない世界で、教育・誘致・財政の持続可能性が問われる。日本経済の実像に最も近いモード。
スタグフレーション
原油高でインフレ9%、景気は停滞。利上げすれば失業が、放置すれば期待の脱錨が待つ。
デフレ不況
物価下落と需要不足、政策金利はほぼゼロ。「負債デフレ」の罠から脱出せよ。
財政再建
先代市長が残した巨額の市債。増税か、歳出削減か、成長かインフレか。
現実の経済・政策・投資等に関する予測・判断・助言の根拠として使用することはできません。
