相続法が変わります2

自筆証書遺言の保管制度ができます

1 ひとこと解説

法務局(公証役場ではありません)で、自筆証書遺言を保管してくれることになりました。

2 例

Aさんは、自分の自筆証書遺言を、自分の住所地を管轄する法務局に保管してもらいました。
(※保管の申請は、住所地、本籍地又は所有する不動産の所在地を管轄する「遺言書保管所」(法務大臣が指定した法務局)にします。すべての法務局が保管所ではないため、事前に確認が必要です。)
Aさんの死後、Bさんは、他県の法務局で、Aさんの遺言書の内容を閲覧しました。

3 補足

ア 相続人は、全国の遺言書保管所で、モニターにより遺言の閲覧が可能です(原本の閲覧は、原本を保管している遺言書保管所に限られます)。遺言書を電子化して保管するからです。
イ 保管制度を使うと、検認が不要になります(遺言保管法11条)。
ウ 今後は、公証役場のみならず、法務局にも遺言書の有無を調査することが必要になったといえます。

エ 私見ではありますが、財産目録を自筆以外にして自筆証書遺言を作成した場合、保管制度を使った方が良いといえます。財産目録への押印は、本文の印影と異なっていても差し支えなく、偽造が容易なためです。

浅井裕貴弁護士(静岡県弁護士会)

静岡市清水区出身の弁護士。一橋大学・中央大学法科大学院卒業、静岡県弁護士会所属。ネットの誹謗中傷・発信者情報開示請求(意見照会・トレント対応を含む)、相続・遺言、交通事故案件に注力。基本情報技術者の知見を活かし、IT・インターネット分野の法律問題に対応している。