民法改正講義案1(時効6)-仮差押の効果は?-
6 仮差押・仮処分は完成猶予の効力のみ
【第百四十九条】
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない 。
一 仮差押え
二 仮処分
(1)ひとこと解説
「仮差押」や「仮処分」には、完成猶予の効力しかありません。
(2)詳細解説
「仮差押」や「仮処分」は、完成猶予の効果しかないといえばそのとおりです。しかし、よく読むと、仮差押中や仮処分中は、ずっと完成猶予が続き、仮差押・仮処分が終わって6か月間も完成猶予が続くということになります(最判平成10年11月24日、山野目p68)。
つまり、仮処分や仮差押が続く限り、時効は完成しないのです。