トレントの意見照会書・開示請求書・示談書を無視したらどうなる?弁護士がリスクを解説
Q 私は、トレント(BitTorrent)を使って、映画をダウンロードしました。その後、その後、プロバイダから発信者情報開示請求書が、意見照会書つきで届きました。この開示請求書や意見照会書を無視したらどうなりますか?
A この記事と同じことが予想されます。つまり、民事訴訟・刑事告訴のリスクが生じると予想します。
Q では、意見照会書に同意したり、意見照会書を無視してもなお発信者情報開示がされ、相手方から示談の提案があったとします。この示談の提案を無視するとどうなると思いますか。
A やはり、民事訴訟・刑事告訴のリスクがあると思います。
【解説】
まず、民事訴訟について申し上げます。令和4年4月20日の知財高裁(東京高裁の一種とお考え下さい)判決以降、トレントに関する損害賠償請求につき、特段、目新しい判決は、私には発見できませんでした(令和4年4月20日直後に、何件が判決がありましたが、令和4年4月20日前に訴訟提起されたものでしょう。)。
つまり、令和4年4月20日以降、トレントに関し、意見照会書を無視したり、示談交渉を無視した結果、民事訴訟を起こされ、判決に至った例は、私は知りません。
そうなると、「意見照会書や示談を無視しても民事訴訟を起こされないかも知れない。」とも言えそうな気がします。
しかし、トレント関係につき、著作権者側は、まとめて手続をしていることが窺えます。
たとえば、発信者情報開示命令申立などは、100件以上まとめて手続していることが窺えます。
そのため、民事訴訟も、まとめて起こす可能性があるのではないかと推測しております。
すなわち、意見照会書を無視されたり、示談交渉を無視されたりした件は、一件一件、五月雨式に民事訴訟を起こすのではなく、100件くらいまとめて民事訴訟を起こすのではないかと考えております。
そうなると、今、民事訴訟を起こされた例が見つからないからといって、「民事訴訟を起こされた例は見当たらないから大丈夫です。」とは言えません。
民事の時効については、著作権者が発信者情報開示を受けてから最短で3年です。
繰り返しとなりますが、アップロード(ダウンロード)から3年ではなく、発信者情報開示を受けてから最短で3年です。
意外と長いです。
場合によっては、5年と解釈する余地もあるかも知れません。
時効ギリギリになって、まとめて民事訴訟する可能性があるので、私は、慎重に申し上げております。
刑事事件も同じです。今のところ、トレント関係で、刑事裁判が確定したという例は、見つけられませんでした。
しかし、こちらも、時効ギリギリになってまとめて刑事告訴するということがありうるかも知れません。
刑事の場合は、アップロードから7年で時効と考えるのが妥当でしょう。
民事と違い、アップロード時が起算点となると思いますが、それでもかなり長いです。
民事訴訟になるかも知れない・刑事告訴されるかも知れないと思って過ごす日々は、なかなかしんどいと思います。
弊事務所では、依頼者の方に安心して生活していただくため、一番安心を得られる可能性の高い方策をご提案しております。


