Torrent関係Q&A6~解決までの期間は?~

Q Torrentに関し、発信者情報開示を受けた後に弁護士に依頼した場合、実際の解決までにはどれくらいかかるのでしょうか。

A 最短では1カ月という例もあります。しかし、実際には、数カ月かかることが一般的です。なお、稀に、1年以上かかることもあります。

【解説】

Torrent関係に限らず、解決までの期間というのは、皆様も心配なところだと思います。

しかし、特にTorrent関係では、最短と最長の差がかなり大きいことを感じます。

まず、Torrent関係で発信者情報開示を受けて、発信者情報開示に同意しつつ、弁護士に依頼した場合の、弊事務所における一般的な流れを申し上げます。

①弁護士からプロバイダに対し、「発信者情報開示に同意する。」(=依頼者様の個人情報を、権利者に伝えても差支えない)旨の通知を送る。

②プロバイダが、権利者に対し、依頼者様の個人情報を伝える。

③権利者から、弁護士に対し、示談交渉の提案が来る。

④示談交渉成立・解決

ここで時間がかかるのは、まず②のようです。プロバイダ側も膨大な発信者情報開示請求を受けているようです。そのため、「発信者情報開示に同意する。」と伝えても、事務処理で時間がかかることがあるのではないかと推測しております。

プロバイダ側の事務処理に時間がかかると推測できる理由を申し上げます。
稀に、発信者情報開示請求書に、権利者側の弁護士名が記載されていることがあります。
通常は、権利者の名前はもちろん、権利者側の弁護士名も伏せられていることが多いのですが、稀に伏せらないことがあるのです。

そこで、プロバイダに対し発信者情報開示に同意する旨の通知を送るとともに、権利者に対し、「示談交渉をお願いできないでしょうか。」と直接伝えたところ、2,3日後に権利者から示談交渉に応じる旨の回答が来たことがあります。

そのため、②の時点で、時間がかかるのではないかと思われます。

また、権利者によっては③でも時間がかかることがあります。
早い権利者は、依頼者様の情報が伝わったと思われた日から数日で示談交渉の提案をしてくることがあります。
しかし、遅い権利者は、数カ月くらいかけて示談交渉の提案をしてくることもあります。

また、発信者情報開示命令や、発信者情報開示訴訟など、権利者が裁判手続を用いている場合も、時間がかかることが多い印象です。

そのため、②でも③でも時間がかかるとなると、依頼者様からすれば、解決までかなりの時間がかかるとお感じになると思います。
どうか、ご了承ください。

Torrent利用を理由として発信者情報開示請求を受けた場合の費用

費目金額備考
着手金
11万0000円
和解(示談)成立報酬11万0000円
その他成功報酬請求額から減額された金額の11%
実費別途1万0000円を超えることは稀である。
訴訟になった場合別途訴訟になることは稀であるが、訴訟になった場合には別案件扱いとなる。
※発信者情報開示請求に対して同意する方が対象です。