著作権に関するQ&A8~商標権は立証が楽~

Q 著作権は登録不要・商標権は要登録ということは分かりました。でも、著作権法違反でも刑事罰はあるし、損害賠償請求もできるし、差し止め請求もできるはずです。商標権の登録をする必要があるのでしょうか。

A 著作権は登録不要であるからこそ、自分が著作権者であることの立証が大変なことがあります。これに対し、商標権は、商標登録していることを立証するだけで各請求をしやすくなります。

【解説】

Qに記載したとおり、著作権でも、それなりの請求権が認められます。しかし、問題は、自分が著作権者(著作者)であることをどうやって立証するかということです。

繰り返しとなりますが、↓の絵は、商標権は認められないものの、著作権が認められます。

では、↑の絵がパクられた場合、私はどのようにして著作権者であることを立証すればよいのでしょうか。

おそらく、私のウェブサイトを立証に用いることになるでしょう。私のウェブサイトにおける、私のログイン履歴などを証拠として提出することになると思います。できないことは無いですが、面倒です。
また、パクった側が、「パクっていない。偶然の一致だ。」などと言い出す場合もあります。偶然の一致の場合、著作権侵害にはなりません。そのため、私の方で、パクった側が私のウェブサイトにアクセスしたことがあることまで立証する必要が出てくるかも知れません。しかし、アクセスログから、パクった側を特定することは困難です。

つまり、「著作権で差し止めができる」という文言自体は正しいのですが、立証が困難なのです。

しかし、商標登録していると、商標登録をしている証拠を提出すれば足りることになります。

しかも、商標登録の場合、偶然の一致でも差し止めできます。

そのため、立証が容易です。

ということで、パクられた場合、商標権の方が立証が楽というお話でした。