3種類の相続
誰もが経験しうる「相続」について、基本となる3つの方法を分かりやすく解説します。
残念ながら、誰もがいつかは経験しうるのが「相続」です。相続には大きく分けて3つの種類があります。 いざという時に慌てないために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
手っとり早く重要点だけ知りたい方へ
「相続で最低限知っておきたい2つのこと」というページもご用意しました。併せてご覧ください。
単純承認
亡くなった方の財産を全て引き継ぐ、最も一般的な方法です。特別な手続きをしない場合、自動的にこれを選んだことになります。
プラスの財産
現金、預貯金、不動産、有価証券、車など
マイナスの財産
借金、ローン、未払金、保証債務など
相続放棄
プラス・マイナス問わず、一切の財産を引き継がない方法です。主に、借金などマイナスの財産が多い場合に選択されます。
【重要】家庭裁判所での手続きが必須
相続人同士の話し合い(遺産分割協議)で「私は財産を貰わない」と決めただけでは、法的な相続放棄にはなりません。借金があった場合、返済義務が残ってしまいます。
限定承認
プラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を引き継ぐ方法です。借金の全貌が不明な場合に有効とされています。しかし、手続が複雑なうえに、思わぬ課税リスクもあるので、使いどころが難しいです。
例えば… 現金1000万円、借金が不明な場合
調査後、借金が3000万円と判明
現金1000万円で返済し、残りの2000万円の返済義務は負わない。 (結果的に相続放棄に近い)
調査後、借金が400万円と判明
現金1000万円から400万円を返済し、残りの600万円は相続できる。 (結果的に単純承認に近い)
相続・遺言に関する費用
費目 | 費用 | 追加内容 | 追加費用 | 備考 |
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<遺産分割> | ||||
交渉・調停・審判の着手金 | 22万0000円 | 相手方となる相続人が10人を超えた場合 | 10人を超えるごとに+11万0000円 | 着手金の上限は110万円とする。 |
交渉・調停・審判の報酬 | 回収金額の11% | 事前に提示があっても回収額の11%を基準とする。 | ||
調停・審判の日当(web会議または電話会議に限る。) | 1回あたり2万2000円 | |||
調停・審判の日当(web会議以外) | 1回あたり2万7500円~5万5000円 | |||
地裁に移行した場合 | 別途(別案件として計算する。) | 遺産分割審判でも解決しない場合、地裁に移ることがある。 | ||
実費 | 別途 | 戸籍の取得に数万円かかることがある。 | ||
<遺言書作成> | ||||
公正証書遺言作成 | 11万0000円 | 遺言書が用紙6枚以上になった場合 | 6枚目以降1枚あたり2万2000円 | 静岡市の公証役場までの出張日当は無料 |
遺言執行者就任 | 遺産の評価額の3.3%~5.5% | 遺言執行が完了したときに費用発生(遺言書作成時には発生しない。) | ||
実費 | 別途 | 公証役場に納める費用や、証人の費用も実費となる。 | ||
<相続放棄> | ||||
被相続人死亡後3カ月以内の相続放棄 | 11万0000円 | 相続放棄の申述が受理された場合 | +0円 | |
被相続人死亡後3カ月を超える場合の相続放棄 | 11万0000円 | 相続放棄の申述が受理された場合 | +5万5000円 | |
訴訟になった場合 | 別途 | 相続放棄申述が受理されても稀に訴えられることがある。 | ||
実費 | 別途 | 戸籍の取得に数万円かかることがある。 |