〇自己破産

自己破産のメリット

借金の対応で、私が扱うのがもっとも多いのは、自己破産です。
(ここでは、自己破産の中に「免責」の意味も含むとしてくください。)

自己破産をすれば、税金や国民健康保険料など、公的機関に支払うべきお金を除いて、
支払義務がなくなります。
国民健康保険料はともかく、税金については、いったん自己破産すると、
かなり長期の分納の相談に乗ってもらえることが多いようです。
ですから、たとえ税金の滞納も多いとしても、自己破産をする意味はあります。

自己破産の流れ

弁護士になってよく質問されるのが、弁護士に自己破産を依頼してから、
支払い義務がなくなるまでの流れです。
そこで、静岡地方裁判所における自己破産の流れを申し上げます。

これは、あくまで原則的な例であり、例外となるパターンも数多くあります。

    1. ご依頼者が、弁護士に自己破産を依頼する。
    2. 弁護士が債権者(=お金を貸してくれた人)に、借金の総額を照会する。
    3. 「2」の後、概ね1か月くらいで回答が来るので、借金の総額を計算する。
    4. 計算の結果、借金を返しきれないことが明らかな場合には、ご依頼者に、自己破産申し立てに必要な書類を集めていただく。
    5. ご依頼者に集めていただいた書類を弁護士が確認し、不備がなければ裁判所に自己破産の申し立てをする。不備があれば「4」に戻る。
    6. 申立をしてから1~14日後、裁判所が書類を確認し、追加質問・追加資料を求めてくる。期限は、概ね2週間。
    7. 追加質問・追加資料に対応してから1~7日後、「破産手続開始決定」が出る。
    8. 「破産手続開始決定」が出て1~2か月後、「免責審尋」(裁判官との面談をすること)が行われる。この免責審尋によって、借金の支払義務がなくなるか否かが決まる。
    9. 免責審尋で問題がなければ、免責審尋の日から0~3日後に「免責決定」が出る。免責決定から約2週間後、正式に借金の支払義務がなくなる。

    ご覧のとおり、債権者からの回答待ちで約1か月、破産手続き開始決定が出て免責審尋までに最短でも1か月かかります。
    そのほかもろもろで1か月くらいかかります。
    したがって、どんなに早くても、弁護士に依頼してから借金の支払義務がなくなるまで、最短で3か月はかかる計算です。

    ただし、実際には、「4」の部分でかかる時間が大きく左右されます。
    ご依頼者が、迅速に書類を集めてくだされば、最短の3か月で終わります。
    しかし、書類集めが難航すると、時間はズルズル伸びていきます。
    最長で2年かかった方がいらっしゃいました。

    自己破産に限った話ではないですが、案件の処理には、ご依頼者のご協力が不可欠です。

     

  1. 自己破産のデメリット

  2. さて、自己破産を扱うどこのホームページにも書いてあることではありますが、
    自己破産のメリット・デメリットについて、申し上げます。

    ①自己破産後、5~10年くらいは、クレジットカードを作れない

  3. いわゆるブラックリストに載ってしまうため、5~10年の間は、
    クレジットカードが作れないといわれています。
    ただ、これは法律に基づいているのではなく、業者が自主的に判断してるので、
    明確な年数はありません。
    どうも、業者によって判断が違うようです。
    つまり、自己破産後5年でカードを作れる業者もいれば、
    10年経たないとカードを作れない業者もいます。
    ただ、近ごろは、自己破産後、3年程度でカードを作ってしまう業者もいるようです。

    ②破産手続開始決定から、免責確定まで、一定の職業に就けない

  4. 士業・警備員・保険外交員など、一定の職業については、
    破産手続開始決定時から、免責確定まで、一定の職業に就けません。
    上の例でいえば、7~9の間は、一定の職業に就けません。逆にいえば、「9」を過ぎると、また元の職業に就けます。
    したがって、警備員さんの場合には、会社に事情を話せるようなら話して、
    その間だけ事務作業に従事させてもらうという選択肢がありえます。
    (士業や保険外交員さんは、その間だけ別の作業というわけにはいかず、
    難しいです。)

    ③ 官報に名前が載る

  5. 官報は、国が出している新聞のようなものです。
    紙の官報は、わざわざ買う人が少ないので、紙の官報に名前が載るだけであれば、大したダメージではありません。
    しかし、今は、インターネット版官報があります。
    インターネット版官報は、無料で過去1か月分の官報が読めます。
    そのため、一昔前よりは、官報で名前を発見されやすくなってしまいました。ただし、実際には、「友人知人に官報で名前を発見されて困った」という方の例は
    聞いたことがありません。
    しかし、ヤミ金が、官報で名前をチェックして、
    「どこも貸してくれないようだから、自分が貸すよ」
    などと勧誘してきたという例は聞いたことがあります。

    ④ 7年間は自己破産ができない

  6. 無限に自己破産ができたら、誰も借金を返さなくなるので、
    当然といえば、当然です。
  7. 主なデメリットはこれだけです。
    したがって、・戸籍には名前が載りません(破産者名簿という特殊な名簿に、免責確定までは載ります。)。

    ・官報をチェックされたり、自分から言わない限り、会社にはバレません。
    (ただし、最低1回は、平日に裁判所へ行かなければならないので、その点だけは要注意です。)

    ・選挙権も失いません。

    このように、自己破産のデメリットは小さいので、借金で苦しくなったら、ぜひ、自己破産を選択肢に入れてください。

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