民法改正講義案2(約款3)-約款の中身を確認したい場合は?-

いくら、中身を見ずに定型約款取引に合意したからといっても、中身を確認したいと思うのは当然です。

3 定型約款の中身の確認は可能である

【第548条の3】
1 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。

2 定型約款準備者が定型取引合意の前において前項の請求を拒んだときは、前条(548条の2、引用者注)の規定は、適用しない。ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。

(1)ひとこと解説

定型約款の内容を確認することは可能です。
「定型約款で契約するのはいいけれど、中身を確認させてほしい。」と思うのは、自然なことです。
もし、合意前に内容確認を拒まれた場合、定型約款の内容について合意があったとはみなされなくなります。

(2)詳細解説

2項の意味が分かりづらいのですが、おそらく、以下のような意味だと思います。

例えば、2030年1月10日に、定型約款取引の合意がなされたものとします。合意の前に、「同年1月11日までに、約款の内容を、電子メールで送信してほしい」という請求をしたとしましょう。しかし、同年1月11日に通信障害が発生し、電子メール送信不可になってしまい、実際に送信したのは12日となってしまいました。この場合であっても、約款の内容に合意したものとみなされます。

(3)補足

たとえ、定型約款取引の合意「後」であっても、定型約款の内容確認を求めることができます。ただし、内容確認を拒まれた場合の規定が存在しないと思われます。
少なくとも、債務不履行にはなると思われるますが、その効果が不明です。立法者によると、損害賠償請求が可能になるだろうということです。。

なお、「契約全体が合意なしとなる」と記載している文献はありました。しかし、文言から大きく外れているような気がします。

コメントを残す